To make Everyone Researcher  全ての人を研究者に 

有機化学でよく使う塩基まとめ

有機合成化学で利用する塩基の種類のまとめ

化学反応の多くは酸・塩基などの極性反応によって起こります。有機合成では、反応性の高い化学種を作ったり、酸をトラップするために塩基を使います。有名な塩基として水酸化ナトリウム (NaOH)や炭酸カリウム (K2CO3)などがありますが、そのほかにもたくさんの塩基があります。反応によってこれらの塩基を使い分けて反応を行っていきます。

[chat face=”komeyaniro.png” name=”” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]ここでは、よく使われる塩基の種類と使い分けについて紹介します[/chat]

塩基とは?

塩基は水酸化物イオンを発生させる,電子対を与える物質として定義され,有機反応においてプロトンを奪う(水素の引き抜き)ことで反応開始のきっかけになる重要な働きを持ちます.塩基の強さは塩基解離定数pKbによって表され、特にpKbが0以下のものは強塩基と呼ばれます。

塩基はイオン性の高い化合物であることが多く、使用する溶媒は非プロトン性極性溶媒のほうが塩基性は強くなります.プロトン性極性溶媒ではアニオンがプロトンによって溶媒和されるので塩基性が弱まります。
塩基のなかには、嵩高い置換基を持つものがあります。これらの嵩高い塩基は塩基性が高いです(プロトンを奪う力は強い)が、求核性(炭素求電子剤への攻撃能)は弱いです。嵩高い塩基は求核性が低いため、塩基自体が置換したりする副反応は起こりにくいです。

有機合成で使われる塩基の種類

無機塩基

無機塩基にはアルカリ金属・アルカリ土類の水酸化物や水素化物,炭酸塩などがあります。

  1. アルカリ金属水素化物(NaH, KH)
  2. アルカリ土類金属水素化物(CaH2)
  3. アルカリ金属水酸化物(塩基性の強さは(CsOH>RbOH>LiOH>NaOH>KOH)
  4. アルカリ土類金属水酸化物(Ca(OH)2
  5. アルカリ金属炭酸塩(Li2CO3, Na2CO3, K2CO3, Cs2CO3)
  6. アルカリ土類金属炭酸塩(CaCO3)
  7. フッ化セシウム(CsF)

アルカリ金属水素化物

非常に強い塩基としてアルコール、アミン、アミド、ジケトンなどのプロトンを引き抜き、水素を発生させます。

水素化カリウムの反応性と洗浄方法水素化カリウム (KH)の反応と洗浄方法 水素化ナトリウムの反応と洗浄方法水素化ナトリウムの反応や洗浄、クエンチの方法を紹介!危険な強塩基

アルカリ土類水素化物

アルカリ土類金属の水素化物水酸化物、炭酸塩はアルカリ金属のそれと比べると利用例は少ないです。

アルカリ土類金属系の塩基の中では水素化カルシウムが重要です。脱水溶媒を作るのによく利用されます。

https://netdekagaku.com/calciumhydride/

アルカリ金属水酸化物

金属水酸化物も強塩基ですが、水酸化物イオンが高い求核性を持つために、求核置換反応など、求電子剤共存下での塩基として利用すると反応してしまう恐れがあるので、利用例は限られます。加水分解などではよく利用されます。安価で取扱いやすいので多くの反応で利用されます。

https://netdekagaku.com/sodiumhydroxide/

https://netdekagaku.com/potassiumhydroxide/

https://netdekagaku.com/lithiumhydroxide/

アルカリ土類金属水酸化物

アルカリ土類金属水酸化物で重要なものは水酸化カルシウム Ca(OH)2 です。水酸化カルシウムは有機合成化学ではあまり利用価値はありませんが、工業的にさまざまな場所で利用されている身近な塩基です。

https://netdekagaku.com/calciumhydroxide/

アルカリ金属炭酸塩

炭酸ナトリウムや炭酸カリウムといった炭酸塩は無機塩基の中では弱い塩基であり、扱いやすいために様々な用途で利用されています。有機合成でも炭酸カリウムや炭酸セシウムは塩基に弱い化合物のアルキル化、加水分解分解など広範に利用されています。単純な構造にもかかわらず炭酸リチウムは双極性障害の治療薬として利用されています。

https://netdekagaku.com/sodiumcarbonate/

https://netdekagaku.com/potasiumcarbonate/

https://netdekagaku.com/lithiumcarbonate/

https://netdekagaku.com/cs2co3/

フッ化セシウム

フッ化セシウムは他の無機塩基とは分類が異なりますので単独で消化します。フッ化セシウムはパラジウム触媒を使ったクロスカップリング反応などでよく目にします。塩基としての利用もありますが、吸湿性が小さめなフッ化物イオン源として利用されています。

https://netdekagaku.com/cesiumfluoride/

有機塩基とは

有機塩基は炭素鎖を含む有機化合物からなる塩基です。無機塩基との違いはアルキル基を持つため有機溶媒に溶けやすいという特徴があります。

  1. 4級アンモニウム塩(水酸化テトラメチルアンモニウム)
  2. アルコキシド(ナトリウムエトキシド,カリウムt-ブトキシド(t-BuOK))
  3. 金属アミド(リチウムジイソプロピルアミド(LDA)、カリウムヘキサメチルジシラジド(KHMDS)、リチウム2,2,6,6,-テトラメチルピペリジド(LiTMP))立体障害の大きさ順
  4. 金属アルキル(アルキルリチウム,アルキルアルミニウム)
  5. ピリジン系(ピリジンDMAP
  6. 非ピリジン系複素環アミン(DBU, DBN,イミダゾール)
  7. リン系[フォスファゼン塩基](BEMP,グアニジノホスファゼン,P2塩基,P5塩基,)

アルコキシドは極性有機溶媒には溶けやすいです。アルコキシドは、t-BuOK以外では求核性が高く求電子剤と反応してしまうことが多いです。

金属アミドは求核性が低く,塩基性が高いです。また、有機溶媒にも溶けやすいです。

ピリジン系塩基は求核性を有しますが,非ピリジン系の複素環アミン塩基は求核性が低く,塩基性が高いです。

より求核性が低く強い塩基性を有するものはフォスファゼン塩基と呼ばれるリン系の塩基である.P5塩基は最も強い有機塩基として知られています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。