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ケムドロー(chemdraw)の使い方・役立つ豆知識

ケムドローの使い方

ケムドロー(ChemDraw)を使えば構造式や反応機構の矢印、曲線を簡単にキレイに書いたり、分子量やClogPなどの値も計算することができます。

便利なケムドローですが、ソフトウェアが英語のため設定やメニュー等がわかりにくくて使いこなせない人が多いかもしれません。そこでケムドローをマスターする使い方の解説をしたいと思います。

キレイな構造式、分子式を書く設定 – スタイルシート、ページ設定

下の構造式は初期設定で書いた構造式です。ボンドの長さに対して原子が小さく、二重結合の間隔も詰めすぎな感じがして不格好ですよね?もう少し見栄えを良くするために初期設定を変更してみましょう。

salicilyc acid initialstyle

↑chemdraw 初期設定の構造式

スタイルシートの使用

Chemdrawでは標準化したフォーマットとしてスタイルシートが用意されているので、それに設定すれば自分の好きなフォーマットに変更することができます。

おすすめはACS Document 1996というもので、アメリカ化学会が標準として作ったフォーマットで化学系では一般的に良く使われるフォーマットになります。

file → open style sheet → ACS Document 1996

これでちょっといい感じになります。

ACS 1996 style sheet

↑スタイルシートACS Document 1996を使った構造式。(左)デフォルト (右)線幅を太くしたversion

 

ページ設定の変更

次に描画範囲を大きくします。
そのままで良い人は変えなくてもよいですが、私はデフォルトのページが狭く、広いページの上に書きたいので大きくします。

file → Document setting → Layout → Poster → Height(縦幅) width (横幅)を25, 25とか好きな値に変える。
あまり大きくしすぎると重くなったりするので気をつけてください

さて次は構造式の見た目を変更します。デフォルトでは線が少し細いのでコーリー先生のように極太にしたいというような場合はデフォルト設定を変更できます。

file → Document setting → Drawing → line width(線の太さ)2倍位がちょうどよいと思います(0.042 cm)
ちなみに
Fixed lengthは線の長さ(拡大率っぽい)
Spacing % of length は二重結合の幅。大きくすると間が広くなる
Bold width 大きくするとくさび形とかの結合の幅が大きくなる。
Margin width 大きくすると元素記号と単結合の間の余白が広くなるCーC →C – Cみたいに
Hash spacing 大きくすると破線型の結合の間隔が広くなる。

最後にこれまでの設定を保存して毎回この設定で作図できるようにします。

file → Save as → Open/Save → ChemDraw Style Sheet(.cds)を選択して任意の場所に保存

file → preferences → Open/Save → Default style sheet で保存した
スタイルシートを指定する。 → OK

これで設定した状態で使い続けることができます。

分子量やExact Massを調べたい ー Analysis window

分子量や分子式を調べたい時はAnalysis windowを使いましょう。Exact massは質量分析(MSスペクトル)で利用する分子量です。調べ方は上のメニューバーの

View → Show analysis windowを選択します。

すると下の画像のように「Analysis」と書かれたウィンドウがでてきます。その状態で調べたい構造式を選択すると「Analysis」ウィンドウにその物質の分子式、Exact mass等が表示されます。Pasteを押すとチェックマークがついた項目が構造式の近くに張り出されます。Analysisウィンドウは畳まれている時があるので、右上の「=」マークを押すと見られるようになります。

analysis window

Formula:分子式

Exact Mass:精密質量 (主な同位体のみから計算された質量で質量分析の時に用いる)

Mol.Wt:分子量

Elem.Anal:元素分析値

Decimalsの数字を増やせば、表示される桁数が増える。

構造式を選ぶ時、選択ツール(lasso または Marquee)を選択中に構造式の一部分をダブルクリックするとその構造式が一気に選択できます。構造式が重なったときに重宝します。

clogPや沸点、融点などの分子のプロパティが見たい!

選択した化合物の沸点などの情報がみたい!というときは、Chemical properties windowを表示させましょう。

View → Show chemical properties window

を選ぶと沸点、融点、LogP, pKaなどの値が表示されます。しかしこの値は予測値?みたいなのであまり当てにはできなさそうです。目安程度にみたほうが良いと思います。

構造式から名前を表示したい!

構造式から名前を検索したいときは

Structure → convert structure to name

を選択すると、構造式の名前が表示されます。
その逆に名前から構造式を検索することもできます。
同じく

Structure → convert name to structure

を選択して表示されるダイアログボックスに英語で構造式名を入力すると表示されます。

name to structure

構造式をきれいに並び替えたり、整理する

書いた構造式などの図はマウス操作だけではきれいに整列させるのに限界があります。そんなときは整列させるツールを使いましょう。

Object → Align → 上から左、中央、右寄せ、上、上下中央、下寄せができます。

Alignを使うときは整列させたいものを複数選択した状態でやります。複数選択するにはShiftを押しながら構造式をダブルクリックしたり Lassoを使って囲い込んで選択します。

また、間隔がばらばらなオブジェクトを同じ間隔を開けて並べたいときDistributionを使用します。
同じく

Object → distribution → Horizontaly (水平方向に分布させる) vertically (縦方向に分布させる)

distribution

これを使えばきれいに整列させることができます。

how to chemdraw

View → object toolbar

を選択してオブジェクトツールバーを出しておくと整列がすばやくできるようになります。

一度並び替えたものを崩したくないときは

Object → group

を選択すると、選択したオブジェクトを一つのグループとして取り扱うようになるので、バラバラにならなくなります(移動させようとするとグループ全体が動く)

このように様々な機能を有効活用してきれいな図を作成してみてください

ケムドローを使いこなす小技・豆知識

構造式のボンド数をキーボードで変更!

ケムドローの使い方キーボードで結合数を変える

MarqueeやSolid Bondなどの選択ツールを使用している時に結合の部分にカーソルを当てて、キーボードで「1」を打つと単結合、「2」を打つと二重結合、「3」を打つと三重結合に変えることができます。

温度の℃やα、βなどを打つ方法

ギリシア文字はフォントを「symbol」や「times new roman」に変えることでキーボードでも打てますが、character map windowを使用しても打つことができます。上のツールバーの

View → View Character Map Window

を選ぶと出てくるウィンドウから選択すると打つことができます。

ケムドローで℃を打つ方法

構造式から化合物名、化合物名から構造式を出す方法!

上メニューの

「Structure」→「Convert Name to Structure」

を選択すると出てくるウィンドウに化合物名を英語で入力すると構造式が出てきます。また、構造式を選択した状態で「Convert Structure to Name」を選択すると構造式から化合物名を表示することができます。

構造式から名前

ファイルを画像(jpeg, png, tiff)で保存する方法

上メニューの

「File」→「Save as」→「ファイルの種類」

から好きな形式を選択する。pngやtiffは左端に「Option」があり、そこで解像度などを変更できます。

chemdrawの使い方を解説しているサイト

ケムステーションさんでも詳しく説明されています。

パーキンエルマーで公開されているユーザーズガイドです(ver.15)

早大 山口潤一郎先生の研究室で公開されているブログから

東大 金井先生の研究室で公開されているペンツール(ベシエ曲線)の使い方

有機化学論文研究所さんでわかりやすく解説されています。

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