化学

バージェス試薬 (Burgess reagent)でアルケン合成

バージェス試薬によるアルケン合成

バージェス試薬 (Burgess reagent)は穏和かつ選択的なアルコールの脱水剤です。ジョージア工科大学の E.M.バージェスによって開発されました。アルコールを脱水してアルケンを合成するのに使います。

バージェス試薬とは?

バージェス試薬(メチル-N-(トリエチルアンモニウムスルホニル)カルバメート)はバージェスらが開発した第三級アルコールや第二級アルコールの水酸基と隣接する水素を引き抜いてアルケンを合成するために利用される試薬です。

バージェス試薬による反応機構

バージェス試薬の反応機構バージェス試薬の反応機構

バージェス試薬にアルコールが攻撃、窒素アニオンからの隣接炭素のプロトン引き抜きによってアルケンが生成します。

バージェス試薬を使った反応例

バージェス試薬を使ったEアルケンの生成例1

上記の反応例では、第二級アルコールをバージェス試薬によりE-アルケンに変換しています( Evans, D.A. et al. Angew. Chem. Int. Ed. 1998, 37, 2354-2359. )

バージェス試薬を用いた第一級アルコールの酸化

バージェス試薬の脱水化反応は、第二級および第三級アルコールでは進行しますが、第一級アルコールの脱水は通常進行しません。このバージェス試薬をDMSO中で利用すると第一級アルコールはアルデヒドへと酸化されるという報告が2017年 J.Org.Chemに報告されました1)。この酸化反応は第二級アルコールでも進行し、ケトンを生成します。反応機構についてはスワーン酸化と同様にスルホキシドがバージェス試薬に攻撃してトリエチルアミンの脱離に伴い生成するスルホニウムイオンがアルコールと反応して酸化反応が進行すると考えられます。

バージェス試薬による酸化反応

実際の反応例は脂肪族アルコール、ベンジルアルコール、不飽和アルコール、芳香族第二級アルコールなどを酸化して対応するアルデヒド、ケトンを合成しています。どれも割と高収率で得られています。バージェス試薬はTCIより1g 8300円で購入可能です。酸化方法はたくさんあるのでわざわざ使うことは無いかもしれません。

特徴として、温和な条件(室温)ですばやく酸化反応が進行する点で有用かもしれません。

1) P. R. Sultane, C. W. Bielawski, J. Org. Chem., 2017, 82, 1046-1052.

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こめやん
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こめやんは理学博士です!化学の面白さと学ぶメリットを少しでも伝えるために日々頑張ります! ツイッターにて疑問点や依頼などを募集しています! 論文の和訳やレポートのチェックなどでもお気軽にお待ちしております