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ストレスバイオマーカーでストレス量の評価する方法

ストレスを測定 評価する方法

「すごくストレスを受けてる」と思ってもそれがどのくらい体に影響を与えているか?ということを知ることは難しいですよね?

ストレスが体に影響を与えている」ということを目の当たりにするのは、ストレスによって胃痛精神不安など、体に実害が出てからです。

病的な状態になるまで体に何の変化も起きていないのか?というとそうではありません。体はストレスによる影響を受けて様々な化学物質量の変化がおきていることが知られています。それらの物質を「ストレスバイオマーカー」といいます。

こめやん

ストレスマーカーの種類と変化について紹介します

そもそもストレスとは?

ストレスとは何か?と聞かれてもなかなか具体的に説明するのは難しいです。ストレスは体に何らかの刺激を与えた際に感じる感覚のことで、ストレスを与えるものを「ストレッサー」といいます。ストレッサーには

  1. 物理的ストレッサー (寒暖、騒音、振動など)
  2. 化学的ストレッサー (PM2.5、二酸化炭素・酸素濃度、薬物など)
  3. 生物的ストレッサー (アレルギー、感染など)
  4. 心理的ストレッサー (人間関係、仕事関係、金銭関係)

の4種類に分類されます。現代社会でのストレスという面では心理的ストレスが重要です。人間・仕事関係は回避・軽減のコントロールが難しいからです。

これらのストレッサーを受けると程度や個人の差はあれど、ストレスを感じます。このストレス反応には

  1. 心理面 (怒り、不安、恐怖、興味関心の低下、気分の落ち込み)
  2. 身体面 (頭痛、胃痛、かゆみ、目の疲れ、動悸、息切れ、便秘や下痢、不眠、肩こり、食欲不振)
  3. 行動面 (注意力の低下、飲酒や喫煙の増加)

の3つに分類できます。

特に身体面でのストレス反応は過度になると深刻なダメージを与える(病的な状態になる)ため注意すべきです。

ストレス反応の経過としては、心理面での変化から始まり、行動面に影響が現れ始め、最後に身体面にストレスの影響が顕在化します。心理面のストレス反応も行き過ぎれば、うつ病などの精神病になります。

ストレスが体のホルモン量を変化させる

ストレスが体に起こす変化は身体や心理面だけではありません。体の機能を調節している「ホルモン」の量を増減させていることが分かっています。

ストレスによって増減するホルモンの量を測定することができれば、ストレスを数値で客観的に評価できます。

こめやん

熱っぽい時に体温計で熱を測るのと同じようにできたら便利ですね

ストレスによって増減するホルモンのような生体内物質のことを「ストレスバイオマーカー」と呼びます。

ストレスバイオマーカーを使ってストレスを測定する上で重要な点はそのバイオマーカーは、

  1. どんな種類のストレスで増えているのか?
  2. どうやって人から採集するか?

などが挙げられます。

代表的なストレスバイオマーカー

ストレスバイオマーカーには神経伝達物質(モノアミン類)、ホルモン、酵素、免疫系物質などがあります。

ストレスバイオマーカー 種類 採取場所 詳細
エピネフリン (アドレナリン) 神経伝達物質 血液 ストレスにより上昇し血圧、心拍、血糖↑
ノルエピネフリン (ノルアドレナリン) 神経伝達物質 血液 ストレスで上昇し心拍、脂質代謝、筋収縮↑
ドーパミン 神経伝達物質 血液 緊張や興奮、快をもたらす、ストレスで減少
セロトニン 神経伝達物質 血液 ストレスで減少、精神安定や生理機能を調節
5-ヒドロキシインドール酢酸(5-HIAA) 神経伝達物質代謝物 尿 セロトニンの代謝物
コルチゾール ホルモン 血液唾液 ストレスで上昇し、血圧、心拍数、血糖↑
デヒドロエピアンドロステロンサルフェート(DHEA-S) ホルモン 血液 性ホルモンの前駆体
黄体刺激ホルモン ホルモン 血液 ストレスで減少、性ホルモンの分泌を調節する
成長ホルモン ホルモン 血液 ストレスで上昇
副腎皮質刺激ホルモン (ACTH) ホルモン 血液 ストレスで上昇
アミラーゼ タンパク質・ペプチド 唾液 ストレスで上昇、糖類消化酵素
クロモグラニンA (CgA) タンパク質・ペプチド 唾液 ストレスで上昇、交感神経-副腎系の活動を表す
β-エンドルフィン タンパク質・ペプチド 血液 鎮痛効果、快楽をもたらす
免疫グロブリン(IgA) 免疫系 血液 ストレスで低下、唾液中に多い抗体
ナチュラルキラー細胞 (NK) 免疫系 血液 ストレスで活性低下
インターロイキン (IL) 免疫系 血液 サイトカインの一種

様々な物質がストレスに応答して増減します。

特にコルチゾールは値が大きく変化し、血清中の存在量も多いため測定しやすく、ストレスバイオマーカーとして有用です。

問題点としては多くのストレスバイオマーカーは血液採取が必要であること、また、ストレスを受けてか30分程度のラグが存在するのでリアルタイムにストレスを測定するのには向いていません。

そこで注目されているのが、「唾液」に含まれるアミラーゼです。アミラーゼはストレス後に数分後にアミラーゼ分泌が上昇することが知られています。

こめやん

唾液の採集も簡単でよいですね

ストレスバイオマーカーを採取する方法

ストレスバイオマーカーを測定するためには、体から何らかのサンプルをとる必要があります。最もわかりやすいのは「血液」ですが、注射針を刺して採取する必要があるので体に負担がかかります。

日常で手軽にストレスを測定するには体を傷つけないで採取する方法がベストです。

そこで注目されているのは、「唾液」「尿」「毛髪」「爪」です。

特に注目されているのは先程紹介した唾液中のアミラーゼです。アミラーゼは不快な刺激を受けてもアミラーゼ活性が上昇するということが分かっています。リアルタイムに、非侵襲で測定できるので、将来家庭でも体温計的にストレスを測定できるようになるかもしれませんね。

現在英国SOMA社から発売されている測定装置は、唾液中の「コルチゾール」「IgA」「IgG]「アミラーゼ」を測定することでストレスを測定できます。
日本のニプロからも唾液中のアミラーゼを測定する装置が発売されていますがまだまだ高額で手軽に利用できるようなものではありませんね。今後の進化が期待されます。

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