DBU・DBNが強塩基性を示す理由 求核性はあるの?

DBU&DBN

DBUの塩基性が高い理由

DBUは強塩基性(pKa=12)を示す有機塩基として有名です。DBUは一般的なアミン類と比べて高い塩基性を示します。

DBUとDBNの構造

DBUとDBNの構造

DBUが強塩基性を示す理由とはDBUがプロトン化すると正電荷が非局在化するためです。下記のような共鳴式が書けます。

DBUが強塩基な理由

DBUが強塩基な理由

DBUは環状のアミジン塩基で以下の特徴があります。

  1. 強塩基
  2. 高い安定性
  3. 有機溶媒に可溶
  4. 高い沸点 ()
  5. 低い求核性

DBUは有機合成に求められる塩基の特徴を持っているため塩基触媒として利用されます。

有機合成において求められる塩基の特徴

  • 強塩基かつ低い求核性
  • 有機溶媒に溶けやすい
  • 中程度の沸点
  • 高い安定性

NaOHやNaHなどの無機塩基は塩基性は高いですが、求核性が高かったり、有機溶媒に溶けにくかったりする欠点があります。一方でトリエチルアミンなどのアルキルアミンは塩基性が弱いあるいは安定性が低いという欠点があります。DBUは間をとったちょうどよい塩基といえます。CH酸の脱プロトン化にも利用できます。

DBUの求核性が低い理由

求核性とは電子不足な原子に攻撃して結合を形成する能力のことです。水素に対しては塩基性と呼びます。かさ高い塩基は求核性が低いです。小さいプロトンに対しては接近することができても、それ以外には接近しにくいからです。

DBUやDBNの用途

DBUとDBNの間での使い分けはあまり考える必要はないと思います。DBNのほうが若干塩基性が高いです。無機塩基を溶かしにくい低極性のベンゼン等の炭化水素系の溶媒、ジフェニルエーテルなどのエーテル類及び高い温度を要する反応に向いています。DBNを使用することにより反応時間の短縮、副反応の低減、選択性の変化などが狙えます。

DBUの用途として、

があります。高沸点で高温度で安定、求核性が低いという特徴から脱離反応でアルケンを得る反応に使われることが多いようです。特に塩基性も高いのでハロゲン化水素を出すハロゲン化アルキルのアルケン合成に向いています

代替の対象となる塩基は、NaH、NaOH、tBuOK、TEA、DIEA、NMM、DABCO、LDA、LiMDS、BuLiなどほとんどすべての塩基を用いる条件で利用できます。

DBUの安定性について

DBUはアミジン塩基としては化学的に安定です。しかし、水存在下(80℃)では加水分解が起こるので注意が必要です。

NAKATANI, Keizo, and Sei HASHIMOTO. “Application of DBU as Strong Organic Base.” Journal of Synthetic Organic Chemistry, Japan 33.11 (1975): 925-935.

DBUの求核性について

DBUは求核性が低いといわれていますが、無いわけではありません。DBUはイソシアネートと反応して付加体を生成します。

NAKATANI, Keizo, and Sei HASHIMOTO. “Application of DBU as Strong Organic Base.” Journal of Synthetic Organic Chemistry, Japan 33.11 (1975): 925-935.

DBUとDBNの求核性の強さ in MeCN

DBUやDBNおよび類似の求核性に関して、アセトニトリル中で測定した結果を報告している論文があります。論文によると求核性はDMAP < DBU < DBN < DABCO、ルイス塩基性はDABCO < DMAP < DBU < DBN

Baidya, M., and Herbert Mayr. “Nucleophilicities and carbon basicities of DBU and DBN.” Chemical communications 15 (2008): 1792-1794.

参考文献

  1. Ishikawa, Tsutomu. Superbases for organic synthesis: guanidines, amidines, phosphazenes and related organocatalysts. John Wiley & Sons, 2009.

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