海水浴場でサメは出る?海水浴の事故について考える

海水浴場でサメは出るの?

夏といえば海水浴ですよね?夏らしさを感じさせる楽しいレジャーですが、それと同時に事故が起こりやすいシチュエーションでもあります。

シュモクザメ

シュモクザメ

海にはたくさんの有害動物が沢山いますが、海にいる人を襲い殺人動物といって思いつくのは「サメ」ではないでしょうか?映画ジョーズなどサメが海水浴中に人を襲うというシーンはよく見ますよね?このようにサメが人を襲うという事例は実際に日本でも起こるのでしょうか?

結論から言えば日本でも人がサメに襲われるという事故は起きています

人を襲うサメとしてよく知られているのは「ホオジロザメ」「イタチザメ」、「シュモクザメ」など

サメが目撃されるニュースはたびたび報道されています。

参考 茅ケ崎沖にサメ30匹超 10市町の海水浴場で規制 | 社会 | カナロコ by 神奈川新聞カナロコ 参考 海水浴場でサメ30匹を確認 茨城・日立:朝日新聞デジタル朝日新聞デジタル

愛知県や瀬戸内海、千葉、茨城、沖縄県などでサメの目撃や事故が多いように思えます。サメに噛まれた場合の致死率は80%に達するそうです。サメに噛まれると大量出血とそれにともなう失血性ショックにより死亡にいたります。

駒宮功額. “動物による災害事例.” 安全工学 14.3 (1975): 169-174.

サメに襲われないために

サメの忌避剤についての総説論文がでています。この論文の内容を踏まえてサメを回避する方法について紹介していきます。

サメは視覚などの感覚器官が鋭いことが特徴です。細かい動きや細かい光の反射をとらえるのが得意なようです。光ったアクセサリーを身に着けてはいけないとか、水をバシャバシャさせてはいけないといわれるのはサメが発見しやすくなるからです。

サメが狙いにくい水着の色はあるのでしょうか?サメは色盲なので色に反応することは無いようですが、サメの視覚は海中とのコントラストに反応するので黄色などの明るい色には反応するようです。黒や青のライフジャケットには反応しないが、黄色のライフジャケットに反応するという報告があります。海中で目立つような色のものはサメ回避のためには避けたほうがよいかもしれません。

サメ避けの方法がこれまで研究されてきました。化学的な方法で効果があるといわれているのは界面活性剤のSDS(ドデシル硫酸ナトリウム:いわゆる洗剤)や酢酸イオン(酢酸銅など)があります。しかし、海ではすぐに薄められてしまうので長時間の効果を発揮するのは難しいですね。

サメを避けるのに磁石が有効という報告もあります。サメは高感度な電気受容器を持っているからです。磁石は強ければよいというわけでもなく、ネオジウム磁石よりもバリウムフェライト磁石のほうがよいという報告もあります。ただしサメの種類によって変化するので一概には言えません。

万が一サメに襲われたらどうする?

サメに限らずエイなどの大型の海洋動物がいたら近づかずにその場を立ち去りましょう。

サメに襲われそうになったら逃げられるなら逃げるのが一番ですが、逃げられない場合はサメの目玉や頭頂部を攻撃するのが良いそうです。

参考 相次ぐサメの襲撃、防衛策は? | ナショナルジオグラフィック日本版サイト取得できませんでした

サメに襲われた場合の死亡率やケガの箇所や程度

サメに襲われる事故は頻繁には起こりませんが、致命的なケガを負うので注意が必要です。

アメリカのShark Research Instituteは世界中で起こったサメ襲撃事件に関するデータ(被害者や事故状況)を集めています

Ricciらの研究チームはこのデータを分析してサメに襲われて負ったケガが軽症だった場合と重症だった場合の違いについて調べています。彼らは1900年から2014年までに発生した5034件のサメ事故のデータを分析しました。

サメに襲われたときにどこにケガを負う?

研究によると起こった事故の23.9%が致命的なケガを負っています。サメ事故の実に1/4は命に関わるケガをおっています。残りの3/4(76.1%)は軽傷でした。逆に14.2%は全くケガを負わなかったというデータがでています。サメに襲われた際に41.8%は足にけがを負っています。

どんなシチュエーションで事故が起きているのか?

最もサメ事故が起こるのは遊泳中(30.5%)、サーフィン(22.5%)です。この2つだけで50%を超えます。個人的に驚いたのは釣り中(20.6%)が多いことです。また、致命的なケガを負いやすいのは遊泳中(42.2%)です。致命的なケガを負いやすいシチュエーションとしては他に三か所以上の噛み傷、四肢喪失、イタチザメとの遭遇があります。

被害者の性別や年齢は80%が男性、20代が多いです。

サメの事故が多い世界の地域は北米とオーストラリア(2地域で50%以上)です。実際に日本人が海外でサメの事故にあっています。簡単なことですが、サメのいない地域では事故は起こりにくく、サメがいる地域では事故は起こるということですね。

参考 サメ襲撃で日本人死亡、豪東部のビーチ 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News取得できませんでした
Ricci, Joseph A., et al. “Shark attack-related injuries: epidemiology and implications for plastic surgeons.” Journal of Plastic, Reconstructive & Aesthetic Surgery 69.1 (2016): 108-114.

海水浴場でおこる事故の大半は溺水

サメが人を襲うといっても、なかなかサメが原因の事故は起こらないといえるでしょう。海水浴場では様々な事故が起こりますが特に溺水事故が多いです。

  • 離岸流
  • 高波波浪

が原因で沖に流されることで溺水事故が起こります。離岸流は沖へと流れる水流のことで数km流されることもあります。遊泳禁止場所や禁止されている時は海水浴に適さない状況(離岸流が強いなど)であるため無視しないようにしましょう。

高橋らの研究報告では2003年から2015年において起きた溺水事故においておぼれやすい人の特徴を以下のように上げています。

  • 泳ぎが苦手(約50%)
  • パニック (約10%)
  • 疲れ (約10%)
  • 飲酒 (約10%)

です。この結果から見ると泳ぎが苦手な人は救命胴衣などを身に着けたほうが良いようです。また、飲酒はもちろん疲れている時に海水浴をすると溺水事故が起こりやすくなるので海の深いところにはいかないようにしましょう。

石川仁憲, et al. “海水浴場における海岸利用者の安全性に関するリスク評価手法の提案.” 土木学会論文集 B3 (海洋開発) 72.2 (2016): I_826-I_831.

高橋重雄, et al. “離岸流にともなう海水浴中の事故発生に関する一考察.” 海洋開発論文集 15 (1999): 743-748.

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