化学

マイケル付加反応: Micheal Addition

マイケル付加について

安定化カルボアニオンが活性化された電子系に付加する反応をMichael付加(またはMichael反応)と呼びます。この際に使用する求核剤をマイケル供与体、求核攻撃を受ける求電子剤をマイケル受容体、付加してできた生成物をマイケル付加体と呼びます。求核剤の種類に関係なく活性化された電子系に1,4-付加(共役付加)する反応がMichael付加といわれることもあります。

マイケル付加反応の特徴

求核剤(Michael供与体)は活性なCH結合をもつアルデヒド、ケトンニトリル、β-ジカルボニル化合物またはヘテロ元素化合物の脱プロトン化によって調製します。電子求引基(アニオン安定化基)の種類と強さによっては、トリエチルアミンのような比較的弱い塩基を用いることもできます。触媒量の塩基を使用する方法もありますが、化学量論量の塩基を用いるとアニオンが生成し、次の反応に利用でき便利です。広範な活性化アルケンとアルキンがMichael受容体として用いることができます。プロトン溶媒と非プロトン溶媒のいずれも用いることができ、溶媒の適用範囲も広いです。分子内反応と分子間反応が可能で、立体化学的なMichael供与体と受容体を用いると、高いジアステレオ選択性で反応が進行します。不斉反応としてのMichael付加の欠点は、1,2-付加や炭素求核剤の自己縮合などの副反応が競争的に起こることですが、反応溶媒や添加剤を適切に選択することによって抑制できます。

反応の歴史

1883年にKemnenosはマロン酸ジメチルアニオンとエチリデンマロン酸エステルとの反応を行うことで、炭素求核剤が電子不足二重結合に付加することを初めて報告しました。1887年にA. Michaelが安定化されたカルボアニオンとα、β-飽和化合物との反応の系統的な研究を始めました。その際、ナトリウムエトキシドの存在下でマロン酸ジエチルがケイ皮酸エチルの二重結合に付加して、置換ペンタン二酸ジエステルを与えることを示しました。1894年には、電子不足二重結合のみならず、三重結合も反応できることを示し、1900年代初めにはこの炭素-炭素結合生成法は広く用いられるようになりました。

反応機構

プロトン溶媒中では反応は可逆になり、熱力学的にもっと安定な化合物を主として得られます。Michael供与体に有機金属化合物(たとえば、銅触媒有機マグネシウム付加)を用いる場合には、SET機構で反応が進むこともあります。

実験操作

 

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えぬてぃー
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専門: 有機化学

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