化学

宮浦ホウ素化: Miyaura Borylation

宮浦ホウ素化について

芳香族あるいはヘテロ芳香族ハロゲン化物やトリフラートとテトラアルコキシボロン化合物からアリールボロン酸やヘテロアリールボロン酸を合成するPd-触媒クロスカップリング反応を宮浦ホウ素化と呼びます。この反応ではPd触媒のみが有効であり、ほかの金属錯体は反応をまったく触媒しません。

宮浦ホウ素化の特徴

ワンポットでのカップリングが温和な条件で進行し、以前のアリールボロン酸やエステルの合成法と比較して大きく改善されています。実際に、宮浦ホウ素化の弱塩基性の温和な反応条件ではほとんどの官能基に影響がありません。最もよい基質は臭化アリールやヨウ化物ですが、アリールトリフラートやアリールジアゾニウムテトラフルオロボラートも使用可能です。アリール基には電子求引基や電子供与基があっても問題ないです。また、電子豊富な臭化アリールは電子豊富なヨウ化アリールより遅く反応するため、臭化アリール存在下でヨウ化アリールの化学選択的ホウ素化が高収率で達成できます。Pd(0)-トリシクロヘキシルホスフィンを触媒として用いるとより反応性の乏しい塩化アリールとカップリングできます。ハロゲン化アリールのカップリングには反応混合物中に塩基として酢酸カリウム(KOAc)が必要で、酢酸カリウムは反応を促進するのみならず、副反応である鈴木クロスカップリングが進行してできるビアリール副生成物の形成を抑制します。

反応の歴史

1993年、宮浦らによって触媒量のテトラキストリフェニルホスフィン白金存在下でジボロン酸ピナコールエステル(B、pin、あるいはpinB-Boinで略記)がアルキンをシス-ホウ素化することを見いだされました。その後1995年に、触媒量のPdCl2(dpp)存在下でテトラアルコキシジボロン化合物が芳香族ハロゲン化物とカップリングして種々のカップリングに有用なアリールボロン酸エステルが得られることを発見しました。

反応機構

宮浦ホウ素化の最初の段階は、ハロゲン化アリールC-X結合のPd(0)-錯体に対する酸化付加からスタートします。次にトランスメタル化が進行しますが、正確な機構は基質の性質に依存します。最後に、還元的脱離で生成物が得られます。

実験操作

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えぬてぃー
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専門: 有機化学