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炭酸セシウム (Cs2CO3)の反応や塩基性

炭酸セシウムの性質と反応

炭酸セシウム (Cs2CO3)は炭酸ナトリウムや炭酸カリウムなどといった他のアルカリ金属炭酸塩と比べて聞き馴染みが無いかもしれませんが、有機合成では非常によく利用される有用な塩基です。

炭酸セシウムとは?

炭酸セシウム (Cs2CO3)は様々な有機合成反応で塩基触媒として利用されるアルカリ金属塩です。

一般的にカリウムやナトリウムなどのアルカリ金属と比べると知名度が低く、どちらかというと原発で発生する放射性元素としてのイメージのほうが大きいかもしれません(合成に使うセシウムは放射性同位体ではない)

炭酸セシウムがは他のアルカリ金属の炭酸塩と比べて変わった性質を示します。例えば有機溶媒への溶解度の高さなどがあります。

こうした変わった性質はセシウム原子をよく見るとわかってきます。

セシウム元素としての性質は、水銀の次に融点が低い金属で28.4℃で液体になります(Li, Na, Kは固体)。セシウムは第6周期にあり原子半径が大きいです。極めて陽イオンになりやすく、第一イオン化エネルギーは全アルカリ金属・全元素の中で最低です。

炭酸セシウムは他の炭酸塩と比べて低極性溶媒への溶解性が高いです。そのため、極性の低い溶媒を使用することが多い有機合成では炭酸セシウムをよく利用します。炭酸セシウムはDMFへの溶解度は119.5g /100mLも溶けます(炭酸カリウムは7.5 g /100mL)。これはセシウムの原子半径が大きく電荷密度が低いことから、陰イオンと解離しやすいためです。

炭酸セシウムの性質

  • 分子量: 325.82
  • 化学式: Cs2CO3
  • 融点 : 640℃(分解)
  • 密度 : 4.072
  • 溶解度 : 水 260.5 g/ 100 mL (15℃)

炭酸セシウムは水への溶解度も大きく、潮解性です。空気中ではすぐに湿気を吸ってベトベトになるため取り扱いは気をつけましょう。


炭酸セシウムを使った合成反応

炭酸セシウムの反応は炭酸ナトリウムや炭酸カリウムと同様の反応利用できます。価格は高めなので、エステルなどの加水分解に利用されることはあまりありません。

有機溶媒への溶解性が高いことから炭酸ナトリウムなどでは反応が行きにくい反応でも進行する可能性があります。

フェノール、アミン、チオールなどのアルキル化はもちろん、カルボキシラートの塩基性条件でのアルキル化、脂肪族アルコールのアルキル化にも利用できます。トシルやノシルアミドのアルキル化も可能です。ホーナーエモンズ反応でも利用されています。

炭酸セシウムのアルキル化 炭酸セシウムのカルボン酸のアルキル化

2 COMMENTS

炭酸カリウム

炭酸セシウムの、有機溶媒への溶解度が高い理由をもう少し詳しく知りたいです。
“炭酸イオンとのイオン結合が良いため”
・イオン結合が良いとは?弱いの誤字でしょうか?
・そうだと仮定して、イオン結合性が弱いと何故有機溶媒に溶ける?

以上についてよろしくお願いします。

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こめやん こめやん

ご覧いただきありがとうございます。

誤字がいくつかあったので修正しました。

・炭酸イオンとのイオン結合が良いため
→弱いの間違いです
・そうだと仮定して、イオン結合性が弱いと何故有機溶媒に溶ける?
→陽イオンと陰イオンとの結合が切れやすくなり、溶媒と結びつきやすくなるから

以下詳細です。

固体が溶けるという言うのは、固体同士の結びつきよりも溶媒同士との結びつきが大きくなることによって溶媒中に分散した状態と考えられます。
つまり、イオン結合が強いほどイオン結晶の状態でいやすいため、溶媒には溶けにくくなります。

イオン同士の結合は単純に考えるとイオン同士のクーロン力が大きいほど強いです。
このクーロン力は電荷が大きいほど強く、イオン同士の距離が遠いほど弱くなります。

アルカリ金属は一価の陽イオンになり電荷は同じですが、原子半径はLiやKなどはCsと比べて原子半径が大きいです。これにより原子半径の大きいセシウムのイオン結合は弱くなり溶媒と結びつきやすくなる→溶媒に溶けやすいとなります。

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