その他科学

ルミノール液の作り方!

ルミノールの作り方

ルミノールといえば、血痕を見つける試薬として有名です。このルミノールはどうやったら作れるか?
できるだけ簡単で安価な方法を考えてみました。

ルミノール液の作り方・実験方法

ルミノールはアミノフタル酸ヒドラジドという物質です。ルミノールを作る上でのポイントとなる試薬はヒドラジン水和物です。ヒドラジンは聞き慣れない物質かもしれませんが、単純な分子で、水素をたくさんもっているので還元性を持ち、ロケット燃料にも使われているようです。濃度の高いヒドラジンは爆発性があるために注意が必要です。濃縮などもしないように。

ルミノールの合成経路
合成は無水フタル酸からスタートしてもよいですが、フタル酸から酸無水物を作るという方法も教育的に良いです。フタル酸はベンゼン環に2つのカルボキシル基が存在する芳香族カルボン酸で、これを分子内脱水縮合させて酸無水物を作ります。

分子内脱水縮合で無水フタル酸の合成

この反応は脱水反応なので、反応容器中から水を取り除くこと、脱水させる必要があります。この目的に利用するのがディーン・スターク装置です。ディーン・スターク装置を使うことによって、反応溶液中から水がなくなることで反応が無水物生成に偏っていきます。
こうしてできた無水フタル酸は1MNaOHなどの塩基性水溶液ですばやく分液すれば抽出操作だけで無水フタル酸が入手できると思います。

ニトロ化

その後、混酸(硝酸と硫酸)を使ったニトロ化を行います。硝酸1に対して硫酸を10~20倍体積分加えるのが一般的でしょうか?温度を上げないように-20~0℃くらいの温度で、短い時間(1時間程度)でニトロ化します。ニトロ化の後処理は氷にあけて、出てきた結晶をろ過すればニトロ体が得られます。

ヒドラジドの合成

酢酸を溶媒として、ヒドラジンを加えて70℃くらいまで温めて酸無水物とヒドラジンを反応させます。アミド化と同じですね。フタル酸ヒドラジドは生成しやすいと思います。アミンの保護基であるフタロイル基はヒドラジンで脱保護して、フタル酸ヒドラジドを生成します。

べシャンプ還元でアミンに還元

最後にニトロ基をアミノ基に還元します。還元反応は信頼性と安全性が高い鉄を使ったべシャンプ還元で行います。経済的かつ収率もよいのでおすすめです。塩化アンモニウムといった弱酸でも反応が進行します。反応が進みにくければ熱を加えたり、酢酸を添加したりします。うまく行けばろ過、分液でルミノールが得られます。

ルミノール自体の合成は結構教育的に意義のある反応が多いですね。基本的な反応で構築できるので高校でもできそうですね。

ABOUT ME
こめやん
こめやん
こめやんは理学博士です!化学の面白さと学ぶメリットを少しでも伝えるために日々頑張ります! ツイッターにて疑問点や依頼などを募集しています! 論文の和訳やレポートのチェックなどでもお気軽にお待ちしております