化学

ウィリアムソンエーテル合成: Williamson Ether Synthesis

ウィリアムソンエーテル合成について

脂肪族あるいは芳香族アルコキシドとハロゲン化アルキル、ハロゲン化アリルまたはベンジルから対応するエーテルを与える反応はWilliamsonエーテル合成として知られています。

ウィリアムソンエーテル合成の特徴

脂肪族第一級、二級および三級アルコールのアルカリ金属アルコキシドは、水素化ナトリウム、水素化カリウム、リチウムヘキサメチルジシラジドまたはリチウムジイソプロピルアミドなどの強塩基を利用して容易に調製されます。フェノール類(ヒドロキシ基が置換した芳香族あるいはヘテロ芳香環化合物)のアルカリ金属塩の調製は、フェノール類の酸性を利用することで、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムなどの弱い塩基、あるいは炭酸カリウムまたは炭酸セシウムなどのアルカリ金属の炭酸塩と反応させることで合成できます。別法として、アルコールをneat状態でナトリウムまたはカリウムなどのアルカリ金属と液体アンモニア中で直接反応させます。純粋なアルコキシドは、過剰のアルコールまたは液体アンモニアを留去することにより得られます。ほとんどのアルカリ金属アルコキシドおよびフェノキシドは結晶として得られ、不活性ガスの雰囲気下、湿気のない状態で長期間保存できます。反応は通常、脱ハロゲン化水素による副生成物を最小限にするため、DMFまたはDMSOなどの非プロトン性極性溶媒中で行われます。ハロゲン化アルキルの選択は反応の成功にきわめて重要で、第一級のアルキル、メチル、アリルおよびベンジルハロゲン化物は最も高い収率を与えます。その理由としては、これらがアルコキシド求核剤によるSN2型ハロゲン置換を容易に受けるからです。ハロゲン化物のアルキル基に関する反応性の順序は、メチル>アリル=ベンジル>第一級アルキル>第二級アルキルとなります。一方、第三級ハロゲン化アルキルは標準的な条件でE2脱離を受け、対応するアルケンを与えます。また反応性の順序は脱離基の性質によって影響されま、OTs=I> OMs> Br> Clの順番になります。二つの異なったハロゲン原子を含むハロゲン化アルキルを反応に用いると、より優れた脱離基の官能基選択的置換が可能です。フェノキシドと活性化されていないハロゲン化アリールからWilliamsonエーテル合成の反応条件でジアリールエーテルを合成することはできません。ハロゲン化アリールが活性化されている強力な電子求引基が存在する場合、ハロゲン原子のアルコキシドによる置換は、芳香族求核置換が起きるため、触媒がなくても反応が進行します。

Williamsonエーテル合成の問題点

第三級ハロゲン化アルキル、あるいは立体障害のある第一級または第二級ハロゲン化アルキルは、求核剤であると同時に塩基として作用するアルコキシドの存在下でE2脱離を受けやすいです。また、アルカリフェノキシドは目的のO-アルキル化に加えC-アルキル化を起こすことがあります。

反応の歴史

1851年、W. Williamsonは1544年にV. Cordusがエタノールを硫酸と加熱して初めてつくったジエチルエーテルの正しい化学式を確立しました。その際、Williamsonはジエチルエーテルをナトリウムエトキシドと塩化エチルから合成しました。

反応機構

ほとんどのアルコキシドと第一級または第二級ハロゲン化アルキルの場合、Williamsonエーテル合成の機構はSN2経由で進行します。ハロゲン化アルキルが以下の絶対配置をもつ第二級(R ‘= H)の場合生成物のエーテルは反応中心で立体配置の完全な反転を伴うだろう。しかし、E. C. Ashbyによってリチウムアルコキシドとヨウ化アルキルの場合は一電子移動によって進行することが実証されました。

実験手順

 

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えぬてぃー
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専門: 有機化学