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逆性石鹸とは?普通のせっけんと何が違うの?

逆性石鹸とは?

逆性石鹸は普通の石鹸とは何が違うのか?

それは化学式を見るとよくわかります。

また、逆性石鹸は普通の石鹸とは違って油汚れを落とす洗剤などには使用されておらず、主に殺菌剤としての用途で使用されています。
ここでは逆性石鹸とは何か?そして使用用途について紹介します。

逆性石鹸とは?

日常でよく言われている石鹸は高級脂肪酸(長鎖カルボン酸のナトリウム塩)です。

洗剤として利用されている界面活性剤は石鹸と同類で、よく利用されている成分としてSDS(ラウリル硫酸ナトリウム)があります。これはどちらも分子がマイナス(陰イオン)を帯びているので、陰イオン性界面活性剤と呼ばれています。

陰イオン性界面活性剤の構陰イオン性界面活性剤の構造

では、逆性石鹸と呼ばれているものはどういうものかと言うとカルボン酸ではなく、第四級アンモニウム塩が親水基になっている物質です。アンモニウムイオンはプラス(陽イオン)を帯びているので、陽イオン性界面活性剤とも呼ばれています。

陽イオン界面活性剤の構陽イオン界面活性剤の構造

マイナスの逆のプラスなので、逆性石鹸というわけです。


逆性石鹸の用途

石鹸は油汚れなどの汚れを落とすのに使っていますが、逆性石鹸はそのような用途にはあまり使われません。

下の図のように、石鹸(陰イオン性界面活性剤)は親水性の部分がマイナスのイオンになっていています。このせっけんの親油性の部分が油汚れとくっつきやすいので、どんどん油汚れにくっついていきます。ところで洗濯物など汚れがつく面はカルボン酸などのマイナスに帯電した部分が多いです。ここにマイナスに帯電した洗剤がたくさんくっつくと、洗濯物表面のマイナスと洗剤のマイナスが反発して汚れが浮き上がります。油汚れが落ちるメカニズム一方でこれが、陽イオン界面活性剤の場合、洗剤のマイナスの部分がプラスなので、洗濯物表面のマイナスとむしろくっついて汚れを浮き上がらせる作用が小さくなってしまいます。

これ以外にも陰イオン性界面活性剤のほうが油汚れ落としには有利な点が多いので洗剤には陰イオン性界面活性剤を利用することが多いです。

こめやん

それでは逆性石鹸は何に使っているの?

逆性石鹸は汚れ落としの用途としてよりも、殺菌としての用途で利用されていることが多いです。

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塩化ベンゼトニウムや塩化ベンザルコニウムなどの陽イオン界面活性剤は、殺菌効果が高く手指の消毒薬に主に利用されています。

消毒薬の陽イオン界面活性剤

のど飴などに含まれる塩化セチルピリジニウムは殺菌効果のある薬品として添加されています。

界面活性がなぜ殺菌効果を示すのかはよくわかっていませんが、細菌の細胞膜に陽イオン界面活性剤が入りこんで膜の流動性を上げて、膜を破壊することで殺菌効果を示すと言われています。

なぜ陽イオン界面活性剤が陰イオン性界面活性剤よりも殺菌効果が高いかというと、細菌の膜表面はマイナスに帯電していているからです。、陽イオン界面活性剤はプラスに帯電しているので、表面に素早く吸着して作用を発揮しやすいです。

逆性石鹸は、大腸菌や黄色ブドウ球菌などの一般細菌には強力に作用します。

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