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非直接性 – エビデンスの品質評価

非直接性

非直接性はエビデンスの品質や信頼性を評価する項目の一つです。英語で言えば「indirectness」で非直接性です(間接性とも言えますが)。

エビデンスとは「科学的な根拠」ですが、その根拠が直接的なものか?間接的なものか?ということが、エビデンスの品質に重要です。

直接的な根拠を示しているもの(非直接的でないもの)ほどエビデンスの信頼性が高いです。

直接的>間接的 (エビデンスの品質)

実験によっては、直接的に比較できなかったり、直接的な根拠をあげられないもの、あるいは大変になるからやれないという理由で間接的な証拠によってエビデンスを提供しているものがあります。

非直接性の例

例えば、A薬とB薬のどちらが血圧を下げる効果が高いかを比較するとき、普通は、A薬とB薬を同じ実験で直接比較するほうが良いですが、様々な理由(B薬を手に入れるのが遅くなってしまったとか)で同時に比較することができないことがあります。

そこで、できるだけ同じ条件で、別の実験同士を比較してA薬とB薬を比較してどちらが有効か?を間接的に比較します。

非直接的な比較

実験1:A薬とC薬(偽薬)を比較したら偽薬と比較して10%血圧を下げた

実験2:B薬とC薬(偽薬)を比較したら偽薬と比較して20%血圧を下げた

実験1と実験2から B薬のほうがA薬よりも血圧降下作用が高い

というように間接的にB薬の有効性を示しています。しかしこのような間接的に実験するよりも

直接的な比較

実験3:A薬とB薬とC薬(偽薬)を比較したらA薬は13%、B薬は22%血圧を下げた

実験3よりB薬のほうが効果が高い

というように非直接的な比較よりも直接的に比較したほうがエビデンスの品質は高いです。

こめやん

非直接性がエビデンスの品質・信頼性に与える影響を評価するには研究に対する知識や経験が必要なので見極めが難しい点です。

adeno

その研究分野では確立されている間接的評価法であれば、信頼性が高いとするものもあります。

基本的には直接的であるほど信頼性が高いというのは変わりないでしょう。

よくとりあげられる非直接性の例

非直接性には4つのタイプがあります。

  1. ポピュレーション(集団)の非直接性
  2. 介入の非直接性
  3. アウトカム(成果)の非直接性
  4. 間接比較の非直接性

非直接性の例としては以下のものがあります。

  1. A型インフルエンザにタミフルが有効→鳥インフルエンザにも有効?(インフルエンザウイルスでも型の異なるウイルスだから有効とは限らない)
  2. 成人で効果のある薬剤→子供で効果がある?
  3. 日本人での研究→英国人での効果がある?
  4. 骨粗鬆症の骨折予防効果→骨折を直接調べるのは難しい、骨密度を代理として評価
  5. 脳卒中リスク低減→血圧の低下で評価

1~3は集団の非直接性の例です。関心のある観察集団研究対象の集団が異なることによって生じる非直接性です。子供に効果があるかに関心があるが、研究対象として成人に対する効果しかなかった場合は成人のデータで子供に対しても効果があると示した場合は非直接的なエビデンスであるために、信頼性は低下します。

こめやん

子供に対する効果を言いたいなら最初から子供に対する実験をやればよいのでは?

adeno

一次研究の結果を利用するシステマティックレビュー等の二次研究では実際の実験はやれないので、このような議論が行われます。一次研究であっても標本に偏りがあれば議論されます。

4-5はアウトカムの非直接性です。患者にとって重要で関心のあるアウトカム(骨粗鬆症で骨折すること)のかわりの代替エンドポイント(有効性を示す評価項目として骨密度を代替)を利用して評価します。

参考文献

GRADE guidlines MAGICcapp.org

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