アリは実はハチ目に分類されるハチの仲間です。
そのため針を持っているものもいれば、毒を持っているものもいます。アリは小さく、ハチと違って羽音などがないため、気づかずに衣服の中に潜り込んで刺される場合が多いです。
日本にいる多くのアリは危険なアリではありませんが、最近では海外から侵入してきたヒアリなどの毒アリもいるので注意しましょう。
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毒のあるアリの種類
多くのアリは針を持っています。毒針で獲物を刺して麻痺させることでハントしています。下の写真のようにお尻から針が出ています。アリは、強靭なアゴで噛み付いて身体を固定して、針で刺してきます。
【トゲオオハリアリ】働きアリが1匹死にかけている。死にかけているため体が弛緩しているのか針がお尻から出ている pic.twitter.com/cYQ8TYjr10
— まんじゅしゃげ (@GreedLycoris) November 23, 2018
日本には、毒のあるアリは少ないです。日本によくいる少し大きめなクロオオアリはヤマアリ亜科に属するアリで、針は退化して無くなっています。一方で、ギ酸を噴出して攻撃することがあります。
バナナに大喜び#クロオオアリ pic.twitter.com/dvOZqW9Pp7
— やまぼっくり (@ymb_radio) July 23, 2019
オオハリアリ
オオハリアリは日本の原産のアリで、シロアリを捕食するアリです。毒針を持っていて刺されると激痛を感じます。毒はそこまで強くなく、翌朝には痛みなどは消失することが多いです。オオハリアリでもアナフィラキシーは発生例があるので、注意しましょう。刺された部分以外の全身症状がある場合はすぐに救急に駆けつけます。
外来種のアリと言えばヒアリがすっかり有名になってしまいましたが、一方のアメリカでは何と日本から侵入した「オオハリアリ」と言うアリが勢力を拡大し、在来生物を食い尽くすわ人を刺すわ、果てはあのアルゼンチンアリと互角に喧嘩するわ大暴れの限りを尽くしているそうで…https://t.co/EqIHozqfT4
— 特急ニセコ (@ExpressNiseco) 2019年6月20日
アカカミアリ
アカカミアリはアメリカ原産の外来アリです。ヒアリと比べると毒は弱めだと言われていますが、刺されると痛み、痒みが発生し、腫れ上がったりします。ヒアリと同様にアナフィラキシーが起こる場合があるので、刺されて30分以内は体調に注意していつでも病院に受診できるようにしておきます。
体長は3~5mm程度で赤褐色の体をしています。
ちなみにこれがアカカミアリ pic.twitter.com/NXTKKhxYRM
— おかだ (@14sM3) 2019年7月24日
こめやん
ヒアリ
ヒアリは有名なアリの一つです。ヒアリの特徴は赤茶色の体をしていて、胸と腹の間に2つのコブがあります。色に関しては個体差があったり、日中の日の当たり方によってわかりにくいことが多いようです
【繁殖力が強い】ヒアリ、1日1000個以上の卵を産む 刺された時の対策はhttps://t.co/egU6kaRP1F
もし、毒針で刺された場合は、20~30分の安静が必要。状況が悪化すれば、すぐ病院で受診する。 pic.twitter.com/mcdvNKlm2h
— ライブドアニュース (@livedoornews) July 1, 2017
ヒアリは蟻塚といって盛り土をした部分に巣を作る性質があります。
日本の在来種は蟻塚を作るものはいないと言われているので、赤黒いアリが蟻塚にいる場合はヒアリの可能性が高いです。また小さい赤アリは日本にたくさんいるのですが、全長が3mmを超える大きさのありはヒアリである可能性が高いです。
ヒアリに刺されたら
ヒアリの毒に対する有効な薬はありません。刺された後、20~30分以内は警戒する。息苦しさや動悸を感じた場合はすぐに医療機関に受診しましょう。
ヒアリは攻撃性が高く、噛みつかれたり刺されたりすることが多いです。ヒアリは大群でいることも多く、たくさんのヒアリに刺される場合があり、重症化(アナフィラキシー)しやすいです。
症状: 刺されると激しい痛みを感じ、後にかゆみをともないます。人によっては時間が経ってから刺された部分が腫れあがったり、全身にわたる蕁麻疹が現れることもあります。
刺された直後20分から30分程度はアナフィラキシーの危険があるので、安静にして医療機関にすぐに駆けつけられるようにしておきます。息苦しさめまい、声がれ、動悸などを感じた場合は迷わずに病院に受診しに行きましょう。
アナフィラキシーはハチ毒と共通している部分があるので、ハチに刺された経験がある人は注意します。
水ぶくれのような膿疱は破らないようにします。薬としては炎症を抑える抗ヒスタミン剤やステロイド剤が処方されるようです。
市販薬ではムヒEXなどがおすすめです。
ヒアリの毒成分
殺人アリという異名を持つことから強力な毒を持つと思われますが、毒自体はそこまで強くありません。ヒアリの毒はピペリジンアルカロイド類で、焼けるような感覚とチクチクと続く痛みが特徴です。痒みが伴うことも多いです。
ヒアリの毒中の95%はソレノプシンなどのピペリジンアルカロイドと言われています。また、その他にも46種類のタンパク質の存在が明らかになっています。これらのタンパク質がアナフィラキシーを引き起こす原因になっていると考えられます。
蟻退治の方法
蟻は一度家に入ってくると道標を辿って仲間がどんどん入ってきます。
入ってくる蟻を退治しても巣ごと退治しないと意味がありません。
蟻退治で評判が良いアリメツを使うとよいかもしれません。特に小さめの蟻にも効果があることで評判です。
参考
アルカロイドの効果・毒性を構造から考察・JONES, Tappey H., et al,Tetrahedron, 1982, 38. 13: 1949 – 1958.
蟻(アリ)が噛む理由とは?痛みや痒みは大丈夫? 鳥がアリを体にこすりつける!?蟻浴と呼ばれる不可解な行動とは? 将来、感染症治療のためにアリを飼う日が来るかもしれないーアリの抗生物質