薬学

炎症のメカニズムと抑える薬

炎症のメカニズム

炎症は皮膚や粘膜が赤く腫れて熱を帯び、痛くなったりする現象の事です。

炎症は、外傷(転倒など)、やけど、ウイルス・細菌感染などが起こったときに発生します。

上記のような炎症が起こるイベントは、細胞、組織の破壊や化学物質や病原体が侵入するおそれがあります。そのため、生体は炎症を起こすことによって対処します。つまり炎症は体を守る「生体防御反応」です。

炎症中何が起きているのか?

炎症中には、発赤、腫脹、熱感、疼痛の4つの兆候が見られます。発赤は毛細血管の拡張、透過性を挙げることによって、損傷部位の血流を増加し、免疫細胞や栄養を供給する。腫脹は血管透過性が上がることにより、血管から組織に血液成分が浸出するために起こる。疼痛は、中枢神経に以上が生じたことを伝え、防御反応を取らせる(安静にしたり、触れたりさせないように)

発熱は免疫細胞の能力を最大限発揮させるために起こる。

炎症に関わる物質群

ヒスタミン:種々のアレルギー作用に関わる。ヒスタミンは血管透過性の亢進、一酸化窒素の合成(血管拡張作用)、接着分子の活性化

プラジキニン:9個のアミノ酸からなるペプチド、発熱発痛作用、血管拡張作用(降圧)がある。プロスタグランジンE2により発痛作用が増強される。

ロイコトリエン:免疫細胞の招集、活性化、血管拡張作用

プロスタグランジン:多様な生理活性をもつ。末梢血管拡張、炎症の増強を示す

アラキドン酸からプロスタグランジンが作られる経路は前記事で紹介しました。ロイコトリエンも同様にアラキドン酸から作られます。

炎症を抑える薬

炎上を抑える薬は

1.ステロイド消炎剤

2.非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)

3.選択的COX-2阻害剤(コキシブ)

があります。

ステロイド消炎剤

ステロイド消炎剤は副腎皮質ステロイドであるヒドロコルチゾンを基にした薬剤です。

副腎皮質ステロイドは非常に強力な消炎薬ですが、強い副作用があり、長期間の使用は危険です。

ステロイドはホスホリパーゼA2の働きを抑える事によってアラキドン酸の生産を抑制します。これにより、プロスタグランジンとロイコトリエンの生産を抑制できるため非常に強い抗炎症作用を持ちます。また、免疫細胞が出す炎症性サイトカインの放出も抑制します。

免疫を抑制するため感染症にかかりやすくなったり、糖尿病の悪化などの副作用があります。

非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)

NSAIDsは最も多く使用される消炎剤です。アラキドン酸からプロスタグランジンH2を賛成する酵素であるCOXを阻害することによって消炎作用を発揮します。

アスピリンがNSAIDsの中でも有名でよく使われる薬剤です。NSAIDsの問題点は、COX阻害の選択性です。COX-1は胃腸保護作用があり、これも阻害すると胃腸障害が出てしまいます。アスピリンは両方のCOXを阻害してしまうため、胃痛などの副作用が強いです。

 

選択的COX-2阻害剤

COX-1は阻害せず、COX-2のみを選択的に阻害すれば、胃腸障害などの副作用が少ない消炎剤を作ることができると考え、作られたのが選択的COX-2阻害剤です。新しいタイプの消炎剤ですが、心疾患を誘発する可能性があり、回収された薬剤もあります。このタイプの薬剤は胃腸障害が発生しにくい薬剤として利用されています。

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こめやん
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こめやんは理学博士です!化学の面白さと学ぶメリットを少しでも伝えるために日々頑張ります! ツイッターにて疑問点や依頼などを募集しています! 論文の和訳やレポートのチェックなどでもお気軽にお待ちしております