私達の舌は甘味、苦味、酸味など食品にはたくさんの味を感じることができます。
また、同じ分類の味でも食品が違うと感じる味も違います。
この記事では味覚とは一体なんなのか?それぞれの味覚と化学物質との関係について紹介します。
目次
味覚とは?
生物が生きるためには「食べること」は息をすることの次に重要なことです。
味覚は、生き物が安全に、体に必要なものを、継続して食べることができるようにするためにそなわっている感覚です。
- 安全かどうか?:体に毒のあるものは苦いものが多い
- 必要なもの:体に必要な糖分は快の感覚を覚える
- 継続する:味覚を感じることで、積極的に食べる
味覚は、食べ物を単なる食品としてではなく、化学物質として捉えるのに役立ちます。つまり、味を感じることによってその食品に含まれる化学物質の種類や量を認識することができるのです。
こめやん
私達は食べ物を食べるか食べないかを、直感や経験をもとに触覚や視覚、嗅覚、味覚を駆使して判断しています。生物の化学物質センサーである味覚は、食べ物が食べられるものなのか?を物質的に判断します。
味覚の種類
味覚には5つの基本味があります。
- 甘味
- 酸味
- 塩味
- 旨味
- 苦味
これらの味は、舌に存在する味蕾 (みらい)という味を感じる器官にある味細胞が化学物質を感知して味神経を介して脳に刺激を伝達します。
味は、甘味を感じるグルコース、酸味を感じる酢酸、苦味を感じるカフェインなどが混合していても、それぞれ区別して感じることができます。
一方、味は苦味と甘味というような単純な足し算のように感じるのではなく、濃度や嗅覚と合わせて複合的に感じるものです。
こめやん
味覚は舌全体で感じる
味覚マップというものを見たことはありますか?
舌先では甘味を感じて両脇は酸味などといったものです。
こめやん
実は味覚マップは現在は否定されています。味蕾には5つの味を感じる味細胞がきちんと存在しているため、舌のどこの部位であろうが5つの基本味を感じることができます。
このように誤解してしまったのは、味蕾の分布が均一ではなく偏りがあること、味によって味を感じる濃度の閾値が異なることなどが原因であると思われます。
もちろん種類にもよりますが、苦味はごく低濃度でも感じる一方で旨みは割と高濃度でないと感じにくいなどという特徴があります。
味覚と化学物質
甘味や旨味、塩味などの味覚を与えるのは化学物質です。それぞれの味を感じさせる化学物質には共通する特徴があります。
味 | 感覚 | 物質の性質 | 物質の特徴 | 代表的な物質 |
甘味 | 快 | エネルギー | アセタール、アミノ酸 | 糖類(グルコース、フルクトース、マルトース)、アミノ酸類(グリシン、アラニン、アスパルテーム)、サッカリン、ステビア、スクラロース、チクロ |
塩味 | 快(高濃度:不快) | ミネラル | 金属カチオン | 塩化ナトリウム、臭化カリウム、塩化カリウム |
旨味 | 快 | タンパク質(アミノ酸) | アミノ酸 | グルタミン酸ナトリウム、イノシン酸ナトリウム、 |
酸味 | 快(高濃度:不快) | エネルギー、腐敗 | プロトン | 酢酸、クエン酸、乳酸 |
苦味 | 不快 | 毒物、薬 | アミン、アルカリ | アルカロイド(キニーネ、ブルシン、ニコチン)が、硫酸マグネシウム |
味蕾の仕組み
味蕾は舌の上に存在する存在する紡錘状の器官です。実は、味蕾は舌の上だけではなく、軟口蓋 (のどちんこの前方上側の軟らかい粘膜部位)や咽頭にもあります(味蕾の2/3は舌にある)。
この味蕾のなかには、味細胞という味を感じて神経に情報を伝達する細胞があります。
味蕾は舌全体ではなく、先端側、根本側、側面の3つの部分に集中して存在しています。
大変よくわかりました。こめやんありがとーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。