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根岸クロスカップリング: Negishi Cross Coupling

根岸クロスカップリングについて

パラジウムあるいはニッケル触媒による有機亜鉛化合物とハロゲン化アリール、アルケニル、アルキニルの立体選択的なクロスカップリング反応は根岸クロスカップリングと呼ばれます。

根岸カップリングの特徴

ニッケルおよびパラジウムのホスフィン錯体では、パラジウム触媒を用いたほうが収率および立体選択性が若干高く、官能基選択性でも優れています。触媒活性種は比較的不安定なNi(0)およびPd(0)錯体ですが、より安定なNi(II)およびPd(II)錯体に還元剤(たとえば、2当量のDIBALやn-BuLi)を作用させることで系中で容易に発生させることができます。遷移金属触媒ない場合では、有機亜鉛反応剤はハロゲン化アルケニルとまったく反応しません。

最もよく用いられる配位子はPPh3ですが、他のアキラルあるいはキラルなホスフィン配位子も問題なく利用できます。さまざまな有機亜鉛反応剤が、有機ハロゲン化物と金属亜鉛または活性化された亜鉛との直接反応、あるいは有機リチウムまたはマグネシウム反応剤と亜鉛ハロゲン化物(Zn%)とのトランスメタル化によって調製できます。この反応は、有機リチウム化合物あるいはGrignard反応剤を用いる熊田クロスカップリングに比べて、求核剤と求電子剤のいずれに関しても官能基選択性が高いです。有機亜鉛化合物を用いる他の利点として、高い反応性・高い位置選択性、高い立体選択性・幅広い適用範囲、幅広い応用性、副反応の少なさ、毒性がほとんどないことがあげられます。c(sp2)同士の反応が最もよく用いられますが、C(sp)-C(sp)カップリングやC(sp2)-C(sp3)カップリングも知られている。有機亜鉛化合物のほかに、有機アルミニウムおよび有機ジルコニウム化合物も用いることができます。有機アルミニウムあるいは有機ジルコニウム化合物の反応性が十分でない場合には、亜鉛の塩を加えてトランスメタル化すれば問題ありません。この方法は複合金属触媒と呼ばれます。 AI、Zr、B. Sn、Cu、Znを含む有機金属化合物のうち、通常有機亜鉛化合物がパラジウム触媒クロスカップリング反応において最も反応性が高く、添加物(たとえば、鈴木クロスカップリングにおける塩基)を必要としません。

根岸クロスカップリングの問題点

ホモプロパルギル亜鉛は反応するがプロパルギル亜鉛はカップリングしません。第二級および第三級のアルキル亜鉛は異性化を起こしますが、第一級アルキル亜鉛およびベンジル亜鉛は問題なくカップリングします。有機亜鉛化合物の高い反応性のために、より反応性が低い有機スズ化合物の反応カルボニル化を伴うStilleカップリングとは異なり、通常、一酸化炭素の挿入を伴うカップリングは困難です。

反応の歴史

1972年のNi触媒によるハロゲン化アルケニルおよびアリールとGrignard反応剤のカップリング反応(熊田クロスカップリング)の発見以降、リチウムやマグネシウムよりも陽性度が低い金属からなる有機金属化合物を用いて、カップリング反応の官能基選択性を向上させるという努力が見られていました。1976年に根岸らは、ニッケル触媒を用いるアルケニルアラン(有機アルミニウム反応剤)のクロスカップリング反応として、ハロゲン化アルケニルおよびアリールとの立体特異的なアルケニル-アルケニルおよびアルケニル-アリールカップリングを報告したしました。この詳細な検討の結果、Pd(0)触媒を用いる有機亜鉛化合物カップリング反応が、反応速度収率・立体選択性の観点から最も良好な結果を与えることを明らかとしました。

実験操作

根岸カップリングの例1

Gennari, Marcello et al Journal of Physical Chemistry Letters, 5(13), 2254-2258; 2014

臭素化物(858 mg、3.97 mmol)、Pd(PPh3)4(140 mg、0.12 mmol)をアルゴン下容器に加え、ヨウ化物から調整した有機ハロゲン化亜鉛溶液(12 ml、34.8 mmol)を加えて16時間撹拌した。 反応後NH4Cl飽和水溶液でクエンチ、抽出して精製処理を行い目的物を83%で得た。

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