グリシンにまた新たな効果があることを発見しました。グリシンはアルコールの血中濃度を下げて肝臓への負担も軽減させるというものです。
グリシンとアルコール
グリシンはγ-グルタミルトランスペプチダーゼ(γ-GTP)、アルカリホスファターゼ、アスパラギン酸トランスアミナーゼなどのアルコールの飲み過ぎで肝臓へ負担がかかると異常になる検査値を正常に近づける効果があると報告されています。
そのため、グリシンを摂取するとアルコールの飲み過ぎによる肝臓への負担を軽減させるのに効果的だと考えられます1)。
グリシンはアルコールの飲みすぎで崩れがちな血清の脂質値を正常に戻す作用もあるとされています。アルコール誘発性の高脂血症モデルの動物実験では、グリシンを与える事によって、脂質レベルが低下した結果が得られています。
さらに、あらかじめグリシンを摂取すると血中のアルコール濃度が下がるという報告もあります。
こめやん
なんと肝臓に対する効果は、すでに肝臓に障害が出ている人でも効果があるという研究結果もでています2)。
グリシンは胃腸の保護作用もあるということなので、お酒による胃へのダメージも抑えられることができるかもしれません。
お酒に合う?グリシンが豊富な食材ランキング
グリシンが肝臓へのダメージが軽減されるなら、お酒と一緒にグリシンが豊富な食材を食べれば一石二鳥ですね。
グリシンはアミノ酸なので、肉などタンパク質に多いような印象ですが実際はどうでしょうか? グリシンが含まれる食品をランキングでまとました。
順位 | 食材 | 含有量(mg/100g) |
1 | ゼラチン | 24000 |
2 | ほたて | 7700 |
3 | するめいか | 5000 |
4 | とびうお(干し) | 4300 |
5 | 真鱈 | 4000 |
6 | さばぶし | 3800 |
7 | 干しアワビ | 3500 |
8 | エビ(ボイル) | 3400 |
9 | ビーフジャーキー | 2700 |
10 | のり | 2300 |
11 | 鶏もも | 2100 |
12 | うに | 2000 |
日本食品標準成分表2015年版(七訂)より引用
ゼラチンは圧倒的な含有量を誇っていますね。ここには載っていませんが、豚足などはよいかもしれません。こう見るとお酒に合いそうな食材にはグリシンが豊富に含まれているんですね。ホタテやイカなど軟体動物に多いみたいです。
参考文献
1)Senthilkumar, Rajagopal, Periasamy Viswanathan, and Namashivayam Nalini. Pol J Pharmacol 55.4 (2003): 603-11.
2)Senthilkumar, R., M. Sengottuvelan, and N. Nalini. Cellular biochemistry and its modulation by active agents or disease 22.2 (2004): 123-128.
3)Razak, Meerza Abdul, et al. Oxidative medicine and cellular longevity 2017 (2017).