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銀杏の臭いは何のにおい?

秋になるとう○こみたいな悪臭を放つ歩道が周辺にありませんか?

よく見ると歩道には黄色い果実のようなものがたくさん落ちているかもしれません。

その臭いの正体は「銀杏」かもしれません。

銀杏のあの臭いの正体は一体なんなのでしょうか?

銀杏はイチョウの木の実

銀杏はイチョウの木の実です。銀杏の時期は9月から11月ごろで、紅葉が見られるような時期です。

イチョウの葉はきれいな黄色に紅葉するため街路樹として好んで植えられます。

いちょうの木

イチョウの木 Sunroofguy [CC BY 3.0 (https://creativecommons.org/licenses/by/3.0)]

美しいイチョウの木ですが、実の銀杏は強烈な臭いがあり、これが原因で伐採を求められることも少なく無いとか…

銀杏にはオスとメスがあり、実をつけるのはメスの木なので、オスの木を植える対策が取られています。

とりあえず、イチョウの雌株は銀杏の臭いが酷いので伐採して欲しい。あれ割と海外でも問題視されてたりするらしいね。 https://t.co/dQohOF4aaH

— 林司@るーしゃんず (@Archangel_HT) 2018年7月23日

一体この銀杏の臭いは何でしょうか?

こめやん

銀杏の見た目はチェリーみたいで可愛らしくもあるのですけどね




銀杏の臭いの正体は何?

秋の風物詩である「銀杏」は秋の味覚の一つとして慕われています。炒った銀杏に塩ふって食べると絶品です。実が臭うのに対して銀杏の食べる部分は臭く有りません。

銀杏の臭いは足の裏のような臭い?

銀杏の臭いはオレンジ色の果肉部分にあります。

銀杏の果肉含まれるニオイ成分を分析した結果、銀杏の臭い成分として2つの物質が見つかりました1)

ブタン酸」と「ヘキサン酸」です。

銀杏臭の正体

銀杏臭の正体

これらはカルボン酸といってお酢の成分である「酢酸」と同じ仲間です。酢酸は酸っぱい臭いがしますが、炭素がたくさん伸びていくとだんだんすっぱさは減少して、腐敗したような悪臭がでてきます。

こめやん

ブタン酸は足裏の臭いと例えられたりします。

このブタン酸とヘキサン酸はバターにも少量含まれているそうです。

銀杏臭がついたら?落とし方

銀杏のにおいの正体である「ブタン酸」と「ヘキサン酸」はカルボン酸という分類であり、沸点が高いため、水のように放っておいてすぐ蒸発していきません。そのため臭いが長期間残ります。

  1. ヘキサン酸(カプロン酸):B.P. 205℃
  2. ブタン酸:B.P.164℃

さらにブタン酸は食品が微生物によって腐敗した時に発生する悪臭の一つであるため、食べ物の腐敗を見分けられるようにするためかはわかりませんが、人は極微量の濃度でも敏感に感じとることができます。

これらの成分のうちブタン酸は水にも溶けますが、ヘキサン酸は水には溶けにくいです。しかし酸性なので、アルカリ性の洗剤を使うと、水で洗い落とせるようになります。

銀杏の食べ方

銀杏が食べられるのは実ではなく種?の部分です。

銀杏を拾って集めてきたら、できるだけ果肉をむしり取って水につけておきます。

こめやん

銀杏の実を素手で触るとかぶれる危険があるので手袋などをしたほうがよいです。

実をこすって取り除いたら日陰で乾燥させます。

乾燥させた銀杏は炒ったりレンジでチンして塩をふって食べましょう。

銀杏には毒?何個までなら食べても平気なの?

銀杏の独特な風味にはまって食べ過ぎると中毒になってしまうので注意してください。

特に小さい子供は中毒に成りやすく7個くらいでも中毒を起こしててんかん、痙攣などの症状が起こります。

こめやん

なんと戦争前後の食糧難の時代は銀杏中毒で死亡した人も結構いたようですよ

銀杏中毒の原因物質は4′-O-メチルピリドキシン(MPN)というビタミンB6と似た構造を持つ化合物です。

銀杏中毒の原因物質

銀杏中毒の原因物質

銀杏中毒の原因物質このようにビタミンB6と非常によく似た構造をしているためにビタミンB6の働きを邪魔してしまいます。これが銀杏毒の正体です。

食中毒の症状は吐き気、嘔吐、下痢、めまい、手足の震え、悪寒、痙攣、不整脈、発熱などです。

治療法はビタミンB6の補給です。

銀杏は何個まで食べてよい?

銀杏は「子供は食べてはいけない」とか「年の数以上は食べてはいけない」などと言われていますが、その通りで子供は銀杏中毒になりやすいのであまり食べないほうが良いかもしれません。

  • 子供:7個以上
  • 大人:40個以上

で銀杏中毒を発症する報告があります。中毒症状は食べてから6時間以内に起こることが多いです。

こめやん

食べ過ぎたと思ったらビタミンB6を摂取するとよいかもしれませんね

中毒が起こるメカニズム

ビタミンB6は抑制性の神経伝達物質であるGABAを興奮性のグルタミン酸から生成するのにかかわっています。銀杏の毒はこの生成を阻害するので、GABA濃度が低下し、興奮性のグルタミン酸の濃度が上昇するため、神経が興奮して痙攣などが起こるとされています。

イチョウ葉エキスと銀杏の毒成分は違う

イチョウ葉エキスがサプリメントとして販売されていますが、イチョウ葉エキスの成分と銀杏の毒成分は別のものです。

イチョウ葉エキスには

  1. フラボノイド (フラボノール、フラボン、ビロベチン、ケルセチン、)
  2. テルペノイド (ギンコライド)

特にギンコライドはイチョウに特有の成分です。

フラボノイド類は抗酸化作用を持っています。

ギンコライドには神経保護作用、アポトーシス抑制、ミトコンドリア保護作用などが確認されています2)
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参考文献

1) Parliment, Thomas H. “Characterization of the putrid aroma compounds of Ginkgo biloba fruits.” 1995. 276-279.

2)佐々木啓子, and 松岡耕二. “イチョウ葉エキスの薬理活性.” 千葉科学大学紀要 5 (2012): 61-67.

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