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スズ(Sn)による還元

スズは代表的な金属還元試薬です。ニトロ基の還元など鉄や亜鉛とならんでよく利用されています。スズは粉末または塩化スズを使い、酸性条件で還元が行われます。

スズによる還元

スズの還元に使用される試薬は、スズ粉末、塩化スズ(II)です。スズ還元では酸触媒として塩酸を用いることが多く、酸性に弱い基質では適用しにくいです。

スズによる還元ではケトンやアルデヒド、カルボン酸、エステル、アルケンは還元されません。塩化スズ(II)は塩酸・スズよりも還元力が弱めですが、塩酸を加えなくても反応が進行するので、さんに弱い基質やニトロ基を複数含む基質の部分還元に利用できます。

ニトロ基の還元

ニトロ基の還元も鉄や亜鉛と同じような方法で進行します。スズの場合は塩酸を使用することが多く、弱酸、中性条件で還元したい場合は鉄、亜鉛を使用した方がよいです。

スズを使ったニトロ基の還元 無水EtOH(135mL)に原料(11.0g,27.4mmol)を溶解し、濃HCl(78.0mL)を加えた。次にスズ粉末(13.0g,108.5mmol)を10分かけて少しずつ加え、反応混合物を100度で2時間加熱還流した。冷却後、混合物を氷水(400mL)に注ぎ入れ、ついでpHが9.0になるまで20%NaOHaqでアルカリ性にして、ジエチルエーテルで抽出し、後処理し、アミン体(8.6g,92%)を得た。(ref. WO2012087243)。

スズ還元ではハロゲン(Br)は還元されません。同様の方法でアジドも還元できます。

塩酸を加える例もありますが、塩化スズ(II)であれば塩酸を加えなくても還元が進行します。

塩化スズを使ったニトロ基の還元

丸底フラスコ中で、原料(0.53g,0.001 mol)にEtOH(50ml)および塩化スズ(II)(788mg,4.16mmol)を加えた。50℃、1day撹拌した。反応混合物を50mLの水で希釈し、50 mLの飽和炭酸水素ナトリウム中和し、酢酸エチル(20mL)を加え、セライトでろ過し、酢酸エチルで洗浄し、ろ液に食塩水を加えて生じた透明な有機層を水及びブラインで洗浄し、後処理し、目的物を得た。(19,365mg,73%)(ref. Patent: WO2012109075)

塩化スズと酢酸もしくは無水酢酸中ではポリメリ化しやすい化合物の還元が可能です。

ニトロ基の還元 ニトロ基の還元でアミンを得る

亜鉛で還元 亜鉛による還元 酢酸中ニトロを還元 ハロゲンは

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