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修士論文の書き始めから提出まで 日程や書き方の基本(理系)

修士論文の書き方

年末が近づいてくると大学生・院生は学位論文執筆の準備が必要になってきます。たいていの人にとって学位論文の執筆は初めてだと思うのでいろいろと手間取ると思います。

研究室によっては学位論文の指導をほとんどしていないところや学生が少ないところでは大学からいきなり学位論文の要旨を提出しろと連絡が来て焦ってしまう人も多いと聞きます。

学位論文の書き方は大学や分野によって様々ですが、基本は同じだと思います。私は理系ですので理系の修士論文の書き方について紹介します。

修士論文って何?

修士論文とは、修士課程でやってきた研究をまとめた論文のことです。

修士課程(博士前期課程)に在籍している人はもうご存じだと思いますが、修士の学位を取得するには学位論文の提出を必須とする大学が多いです。

大学学部の時にも学位論文を書いた人もいると思いますが、基本的には同じです。

しかし、修士のほうが実験量も多く、さらにきちんとした体裁や結果を求められる点で学部の卒業論文とは異なります。

修士課程の人はこれまでにやってきた研究成果をまとめた「修士論文」と「口頭発表」を行います。これに合格すれば晴れて修士の学位を取得できます。

修士論文や発表の日程は?

基本的にどこの大学も修士論文提出は1月~2月上旬であることが多いです。1月上旬ごろに提出する場合は年度末から年明けまでを修士論文執筆に費やすことになります。

こめやん

いわゆるホワイトな研究室のほうが意外と死にそうな顔になっていることが多い気がしますね。私も年末は研究室に泊まったりして大変でした

修士の卒業発表は修士論文提出の後に行う大学が多いと思います。卒業発表は2月ごろに行います。

こめやん

論文提出が終わったと思ったら今度は発表の準備が始まるので休まるときがありませんね

理想のスケジュール

STEP.1
9月~10月
中間発表(無い所もある)
STEP.2
10月ごろ
修士論文の準備(中間発表がない場合は早めに!フォーマットやタイトル、収録内容を決める
STEP.3
11月頃
修士論文の執筆を始める。この頃に審査員の決定や大学に論文タイトル・要旨の提出などを求められる
STEP.4
12月末
指導教員に数回はチェックをうける
STEP.5
1月頃
細かい体裁を整えて最終チェックをする
STEP.6
1月中旬
修士論文の提出
STEP.7
1月下旬
修士発表の準備
STEP.8
2月中旬
修士発表
STEP.9
2月下旬~3月上旬
合否判定の通知
STEP.10
3月中
身の回りの整理・ 引継ぎ
STEP.11
3月下旬
卒業[/tl]

きちんとデータ整理している人、学会発表や論文投稿経験がある人などは割と楽にできると思います。一方、研究のデータ取りや管理が雑な人、あまり研究がうまくいっていない人は苦労するので早めに取り組むべきです。

現実のスケジュール

現実的には修士論文提出に苦労する人ほど前もってやれないのが現実です。研究成果がない人は発表経験がない、ぎりぎりまで研究をやろうとする(やらせられる)、成果がないと要旨が書けない、タイトルが決まらないという感じで後に後に日程がもつれ込みます。

多くの人は周りの人が修士論文を書き始めたら12月くらいから書き始めて、提出ぎりぎりまで添削-修正を行うという感じになるのが現実です。

こめやん

学生がぎりぎりになって論文を持ってくるので教員側の添削も大変です。急がなければイケないのに教員の添削が終わっていないからやることがない学生がいたりします。前もってやると添削が混まないのでお勧めです。

前もって提出してもきちんと見てくれない教員もいるようです。先輩や同期に見てもらたりしましょう。

修士論文の内容は論文と何が違う?

論文という名前がついていますが、投稿論文とは内容が少し違います。

原著論文と総説の違い論文の種類 ジャーナル、総説(レビュー)、速報(レター)の違い

英語では普通の論文のことを「journal article」、学位論文は「thesis」と呼びます。

名称 投稿論文 修士論文
英称 journal article thesis
どんな内容を書くか? 分野の進展に寄与した研究の報告(新規性・独創性・有効性) どんなことをやってきたか?何を学んだか?どんな実験手法でデータを得てどのように解釈するか?
長さ 多くて十数ページくらい 50~100ページくらい
公開範囲 世界 原則学内
言語 英語 原則日本語
評価者 その分野に精通した専門家 教員(必ずしも精通していない)
背景(緒言・序論)の書き方 必要最低限 自身の研究の位置づけがわかるように広範かつ深く書く。評価対象にもなる
考察 主題にあった内容を簡潔明瞭に述べる 得られたデータに対してより詳しく考察し、展望などを述べる
結果 必要なもののみ 原則すべての結果

実験の詳細がわかるように方法も細かく、ネガティブデータも含めてのせて、研究の流れがわかるように書く

投稿論文と学位論文の大きな違いはその目的です。投稿論文はその分野の学術的進展を報告するために行うものですが、学位論文は学位取得の審査のために提出します。

そのため、投稿論文では研究成果をアピールしますが、学位論文では修士課程で学んできたことをアピールします。

得られた研究成果はもちろん、どのような知識があるか?仮説検証のためにどのような実験手法を組み立てたか?得られた結果をどのように解釈・考察し次の実験に取り組んだか?などが評価されます。

こめやん

修士はきちんと研究をやっていれば、そんなに成果がなくても大丈夫です。研究をしていて修士学生の成果が出ない見出せないのは教員側に問題があります。

修士論文の書き方

修士論文の詳しい書き方は「卒業生の修士論文を確認すること」が最も確実で早い方法です。書き方のフォーマットは大学や専攻ごとに癖があるのでそれに従います。(序論か緒言か?目次が必要かいらないか?参考文献の書き方など)

もしも卒業生や先輩がいないなどであれば、他研究室にあたるか、大学の事務に体裁の基準を確認したり、場合によっては図書館に修士論文が保管されていることがあるので確認します。

修士論文はだいたい50~100ページくらいのページ数になります。

  1. タイトル
  2. 目次
  3. 略語
  4. 概要
  5. 研究背景
  6. 実験手法
  7. 実験結果
  8. 考察
  9. 結論
  10. 展望
  11. 機器データ (分析機器等)
  12. 参考文献
  13. 謝辞

です。

基本的なことですが、修士論文に載せる内容は全て自分が書いた内容です。コピペ厳禁です。語尾を変えただけなども同じく不正です。

こめやん

科学研究の不正に対して厳しくなっているのでたとえ修士でも気を付けましょう

さらに研究データも自分のやった研究だけです。先輩の内容を書く場合にもそれが明確にわかるようにしなければなりません。

もちろん序論の部分は論文を読まなければ分からない内容もあるので、その内容自分の言葉で書けばOKです。ただし参考文献を載せる必要があります。

注意
基本的に書くべき内容は同じですが、構成は大学・分野・専攻によって大きく変わります。必ず前年度の書き方を参考にします。序論・本論・結論の三段構成になる場合があったり、本論には実験手法・結論・議論・展望がまとめて書かれることも多いです。書く内容が明確に分かれていないことも多いです。

タイトル

タイトルは主題です。タイトルは適当につけずにちゃんと教員と話し合って決めます。割とタイトルと発表内容が食い違っている人がいます。評価者としてはマイナスポイントになってしまうので注意!

目次

目次は絶対に必要というわけではないですが、評価するときにはあったほうが親切です。例年載せているなら載せましょう。修正の段階で参照ページ数が結構変わるので最後にチェックしましょう。

略語説明

使用した略語はその意味が何かをリストして載せる必要があります。

CDI:カルボニルジイミダゾール などです。

概要(アブストラクト)

修士論文では概要を載せないところもあると思います。ここを読んでから本文に入るので適当なことを書かないようにします。本文と対応していないと悪印象です。

研究背景 (緒言、序論)

研究背景は序論あるいは緒言と呼ばれることもありますが、書く内容は似ています。

研究背景は自分の研究の立ち位置や成果のポイントが明確になるように書きます。

自分の研究の意義や新規性がわかるように先行研究を詳しく述べます。

自分の研究に対する知識をつけたり、知っていることをアピールする意図も含めて広く深く書きましょう。

序論や緒言という場合には研究背景を紹介した流れで研究目的を加えることも多いです。

ページ数をかせぐために無駄に長くだらだら書く人がいますがそれはやめましょう。

実験手法・実験方法

実験方法はどのような実験手法を使って研究を進めたか?を書きます。ものやシステムを作った場合は設計、データ取得した場合はその調査・実験・分析方法を書きます。

なぜその手法を選んだのか?どのような手順で実施したのか?どのような素材を使用したか?がわかるように書きます。

実験結果

実験で得られた結果を書きます。手法とセットで書く場合もあります。

考察

考察は得られた研究結果に対する解釈を書きます。特に実験目的に対して得られた結果はどうだったのか?を述べます。原則すべての結果に対しての考察を述べるべきです。ネガティブデータに対しても変に言及を避けるのは印象が悪いです。

結論

実験のまとめとして最後に書く部分です。総まとめのような部分です。

展望

展望は内容として考察や結論に含まれたり独立されている場合もあります。具体的な展望は研究の意義や方向性を示すのに役立ちます。

参考文献

参考文献は必ずのせます。本文中と参考文献が対応しているかを確認します。

謝辞

謝辞は研究の助けになった関係者各位にお礼を述べる場所です。

修士が卒業できないことはあるの?

修士で卒業できないのはまれだと思います。修士まで来る人は研究のモチベーションがある人が多いということもあります(ない人も結構いますが)。

きちんと研究していて卒業できなかった人は見たことがありません。成果がなくてもうまく工夫すればできます。

私が見てきて修士が卒業できなかった人は

  1. 研究室に来ない
  2. 研究を全くしない
  3. 単位が足りない
  4. 教員ともめまくる(色々な問題があります)

です。修士にも単位があるのでこれは注意してください。油断して必修を取っていないとか足りないということがあります。毎年専攻に数人いたりします。

研究室に来ないあるいは全く実験をしないと論文が書けないし発表もできません。逆に言えばそうでなければ修士はみんな取っています(全くデータがなくても別の人のデータを使って卒業させるということも聞いたことが…)。

教員と揉めるのは残念ながらよくあることです。かなり幼稚な教員・学生がいたりするのです。明らかに教員がおかしい場合は早めに大学に相談しましょう。ほかの研究室に移ったりできます。

博士論文の注意すべきこと博士論文の書き方 学位論文を書く上で注意すべきこと (理系)

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