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論文の種類 ジャーナル、総説(レビュー)、速報(レター)の違い

原著論文と総説の違い

実は論文にはレビュー(総説)やレターなどたくさんの種類があります。

「これらの違いって一体なんだろう?」というのが論文を初めて読む人が抱く最初の疑問かもしれません。ここでは論文の種類と違いについて紹介します。

論文の種類

論文には大きく分けて原著論文と総説論文があります。

  1. 原著論文(Journal article):
  2. 総説・調査論文 (Review article, Survey article)
  3. その他の論文

原著論文 (Journal article)

一般に論文といえば、原著論文を指すことが多いです。原著論文は著者ら独自の実験によって得られた成果をまとめた論文です。内容は基本的に1論文1テーマでまとめられており、新規でオリジナリティがあります。原著論文に述べられる研究成果を使って他の論文に投稿すること(二重投稿)は認められません。研究者の成果となる原著論文は厳正に作成することが求められます。

総説・調査論文 (Review article, Survey article)

総説はすでに発表された複数の論文をもとに作成された、いわばまとめ的な論文です。通常は特定のテーマ(広範なものから詳細なものまで様々)のもと、そのテーマに精通している専門家が著名・有力な論文を集めて研究の過去と現状、展望を体系的にまとめて紹介するような形をとっていることが多いです。

システマティックレビュー (系統的レビュー:systematic review)は、これまで蓄積された研究成果の中から客観的な基準に合致する論文を選択し、内容を比較・分析することによって、新しい結果や解釈を提示するような調査論文的な性格をもつ論文です。通常の総説よりも客観性が高く新たな知見が得られるという点から原著論文として捉えられることもあります。

ミニレビューはそのまま短い総説論文です。

その他の論文

学位論文(thesis)

学位論文は学士、修士、博士等の学位取得の際にこれまでの課程で実施した研究内容をまとめた論文で、形式や取り扱いは学校によって異なります。学士などでは卒業要件として必須でない場合もある。学位論文は学位取得にふさわしいかを見極める材料として用いられるため、論文にはこれまでの研究内容を示すとともに、研究に関する専門知識や研究者としての能力(伝える力、論理性など)が培われているかを判断されることを念頭において作成しなければいけません。学位論文は、研究活動の総括的な意味合いを含むためテーマが複数になることもあります。ジャーナル論文と比べてイントロダクションを広範かつ詳細に書き、主要な結果以外の内容(ネガティブデータも一部含めて)を記載してデータに対する包括的な考察と今後の方向性も述べます。

症例報告 (case report)

症例報告は医学分野において、診療により経験したもののうち報告に値する症例を報告したものである。症例報告では病歴や家族歴の紹介、症状や検査結果などを述べる。

論文のタイプ

学術雑誌に載っている記事にはArticle、Editorial、Letterなどたくさんのタイプがあります。雑誌によって独自の呼び方をしているものもあるのでややこしいですが、ここでは代表的なものを紹介します。

普通の論文 (フルペーパー)

一般的な論文は「Article」「Journal article」などと記載されていることが多いです。これらは内容が短いレターと対比させて内容が多いことを表すフルペーパー、ロングペーパーと呼ばれることもあります。

レター、コミュニケーション (letter, communication)

論文誌によって定義は異なるので一概には言えませんが、レター及びコミュニケーション (及びBrief article、Preliminary Reports, Notes等)は短い形式の論文でフルペーパーと比べて文字制限があったり、査読工程が短縮されていることが多いです。そのため出版までのスピードが早く速報と呼ばれることもあります。こうした速報性の高い論文を主に取り扱うことによって出版スピードを高めた雑誌は「速報誌」と呼ばれており、完全な研究内容として発表するには時間がかかるが、他の研究者に先をこされないために早く発表したい時などに利用されます。

コミュニケーションよりもレターの方がより簡単で短いことが多いです。

プロシーディング (Proceedings)

プロシーディングは学会(学術会議)や学術大会などの講演要旨集に掲載される形で発表される形式の論文です。査読がないことが多いですが、査読がされる場合もあります。分野によっては査読がきちんとなされ、一般論文並の扱いを受けます。また、プロシーディングは学会終了後に出版されることもあります。学会発表の要旨でもあるため、研究途中でも書くことが可能でその取り扱いは分野によって異なります。Selected proceedingsは学会が精選したプロシーディングであるためより重要視されます。人文社会系や工学系(土木建築など)ではプロシーディングは重要な研究業績です。

パースペクティブ、オピニオン、コメンタリー、エディトリアル(perspective, opinion, commentary, editorial)

パースペクティブ、オピニオン、コメンタリー、エディトリアルなどは特定のテーマに対する専門家の主観的な意見、批判、解釈あるいは新しい視点での論評の学術記事です。

基本的にこれらの論文は自身のオリジナルな研究成果を発表するような論文とは異なります。また総説のように既報の複数の論文を比較したりまとめたりするというような形をとっていません。

パースペクティブはこれまでの研究テーマに対して著者独自の新しい視点を交えて仮説、展望を述べる記事です。

オピニオンは著者によって提示されたテーマに対する批判記事です。著者の問題提起などが行われます。

コメンタリーは特定のテーマに対する著者の解釈や解説的な内容を含む記事です。

エディトリアルは雑誌編集者の見解を記すエッセイで、主に同じ雑誌に掲載された論文や近年の研究に関する批評が載っています。

パテント (patent)

パテントは特許文献で論文とは異なります。特許は分野によっては論文と同じく評価される対象

ピアレビュー (peer review)

ピアレビューは論文の形態ではなく、査読という意味です。査読は投稿された論文の内容を専門家によって審査する制度です。詳しくは以下の記事を御覧ください

査読付き論文の探し方見分け方査読付き論文の探し方・見分け方

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