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ガラス器具のスリへのグリースの塗り方

スリへの正しいグリース・ワセリンの塗り方

ガラスすりにグリースやワセリンを適切に塗れてますか?

ガラスのすり合わせの部分にグリースやワセリンを塗ることを覚えると、なんだかスリの部分全てに塗りたくなってしまいますが、塗るとグリースが混入して手間が増えてしまうため注意が必要です。

意外とスリを塗る部分というのは少なく、一回塗った場所はあまりいじらないことが多いです。

こめやん

エバポのナスフラスコを接続する部分に塗ったら怒られた記憶があります

ということで、グリースをどこに塗ったら良いか?塗るときの正しい塗り方というのを紹介します。


グリースやワセリンは真空状態を保ちたい部分のすり合わせ部分に塗る!

ガラスすりは精密に作られているので、常圧であれば外部から空気が入ってきたり、漏れたりはしにくいですが、ガラスとガラス固体の接触なので多少の隙間ができてしまっています。そのため、常圧であれば問題なくても、高真空状態になるとその僅かな隙間からの漏れが出てしまいます。それを防ぐためにグリースやワセリンを塗ることで、固体と固体の隙間を埋め、高真空状態を実現します。

グリースとワセリンどちらを塗っても良いですが、一応高真空グリースと呼ばれるものがあり、これは真空状態でも蒸発しにくく、化学的にも安定なグリスです。まあ、ワセリンでも代用可能で安いのでワセリンを使っている人も多いです。

グリースやワセリンを塗る場所

グリスを塗る場所は、反応溶液が触れないような場所です。反応溶液が触れるような場所には塗らないのが基本です。例えば

などで、実はあまり塗るところはなかったりします。反応溶媒などが触れないような部分のすりには塗ります。グリスを塗ることですりが固着して取れなくなるのを防ぐ役割もあります(逆にワセリンが固着の原因になることもあるので定期的に塗り直す必要がある)


グリースやワセリン塗らないほうがいいすり部分

グリースやワセリンをすり部分に塗りたきゃ塗ってもよいですが、基本的に塗っても良いことがない、他人に迷惑をかける可能性がある部分について例を挙げると

  • ナスフラスコのすり部分
  • 分液漏斗のすり
  • 共通テーパージョイント(ナスとつなぐ部分)
  • エバポレーターのナスをつける部分
  • 冷却管、特にナスフラスコに接続する部分
  • ガラス栓(ナスフラスコとの)
  • メスフラスコのすり

などです。ナスフラスコは反応に使う代表的なガラス容器ですが、これのすり部分と接触する部分にはグリースは基本的に塗りません。これは反応溶液などが接触する可能性が高いからです。同様に分液ロートのすりなどにも塗りません。グリースが混入して分離が大変になります。

また、同じすり合わせでもテフロンコックなどの部分には塗りません。

反応容器周辺のスリ部分にグリスを塗りたい場合は、スリの上半分だけ塗るなどして反応溶液が接触しないように工夫するなどします。テフロンシールやパラフィルムで覆うことで代用することもできます。

グリースやワセリンの塗り方

塗り方と言っても基本は

  1. グリスを塗る部分はキレイに清掃する
  2. なるべく薄く塗る
  3. 溝や穴周辺は避けるようにして塗る

です。ホコリや砂などがはいこまないようにりの部分をキレイにしてからグリスを塗りましょう

グリスを塗るとすり合わせの白っぽい色が透明になります。これがキレイに塗れた状態を示します。このときできるだけ少なめに塗って回転させて引き伸ばすようにしてなじませます。すりの部分からグリスが飛び出してくるようでは明らかに塗りすぎです。薄い膜を作るようなイメージです。

脱気孔などのみぞや穴がある場合はその周辺には塗らないようにします。そこに接触するように塗ってしまうと穴にグリスが詰まってしまうことがあるからです。

グリスやワセリンを塗ったスリは定期的に塗り直す

グリスを塗ったスリは基本的に放置するような場所がおおいですが、年一回くらいは塗り直して置かないと固着してスリが外れなくなることがあります。定期的に塗り直すようにしましょう。

グリスの塗り方動画

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