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グリスの成分と種類 モリブデン、ウレア、シリコングリースの違いとは?

グリスとは?

グリスは滑りを良くする潤滑油です。

モノとモノが重なる場所に塗ります。振動したり回転したり動く部分に塗布して摩擦を小さくすることで、こすり合わさる部分がスムーズに動くようになり、摩耗を防ぐことができます。

グリスが塗られている場所

  • タイヤ軸
  • ブレーキ駆動部
  • チェーン
  • サスペンション
  • ギア

いずれも部品同士が重なりあっていて、回転したり、上下運動をしたりしている部分です。


グリスの性質・セッティング

潤滑油といっても、グリスは液体ではなく粘度が高い半固体状の潤滑油です。

グリスは使用場所によって求められる性質が大きく異なります。

大きな圧や激しい擦れ合いがある場所では発熱が大きいため、耐熱性などがもとめられます。

  • 耐熱性
  • 粘性

潤滑の種類

グリスの量によって流体潤滑と境界潤滑の二種類に分類できます。

面同士の間に潤沢に潤滑剤が存在している状態は流体潤滑と呼ばれていて、粘度が高いほど高圧力下でも潤滑させることができます。(後に詳しく)

面と面の間に薄い油膜が張った状態での潤滑を境界潤滑といって、グリースのごく薄い分子の膜で潤滑しています。

分子の膜と聞くと薄すぎないか?というように思うかもしれませんが、薄くても十分に摩擦を低下させることが可能です。厚い方が良いと思って塗りすぎても良いことはありません

グリスのセッティング

グリスの選択基準として重要なものとして粘度があります。

粘度を上げすぎても抵抗が大きくなり、発熱してしまうし、下げすぎると飛び散ったり、油膜が破断して潤滑されなります。

グリースの組成

グリスは基油増ちょう剤添加剤の三つからできています。
グリスは基油別、増ちょう剤別などに分類できます。

基油の分類

基油:基油はグリースの基となる油の種類です。
大きく分けて石油からとれる鉱物油と化学合成して作られる合成油に大別されます。

1.鉱物油(石油パラフィンなどであり、大部分のグリースに使用)

2.合成油
エステル系:潤滑性が非常に高い、引火しにくく熱安定性が高い、低温でも固まらない(流動点が低い)
耐油性や耐水性が低いのが欠点。ゴムを膨張させる傾向あり

ポリ-α-オレフィングリース(PAOグリース): 潤滑性、低温流動性、耐熱、酸化に強い。PC、ABS樹脂等を侵す

パーフルオロポリエーテル(フッ素グリース):耐熱性、耐水性、化学的な変化に強く安定性が非常に高い、プラやゴムにも適する。高温に強いが分解すると有害なガスが発生する可能性がある。

シリコーングリース:シリコンオイルが基油のグリース。耐熱、耐寒性、化学的安定性に優れる。ゴムやプラを侵さない。

フェニルエーテルグリース:最高の耐熱性、耐酸化性を持つ。欠点として流動点が高く、粘度指数も低い。温度が高く、高圧の軸受などに向く

増ちょう剤の分類

石鹸系
脂肪酸とのアルカリ金属塩である石鹸は増ちょう剤として使用される。
1.カルシウムグリース
耐水性が高い。温度が高いところは不向き

2.ナトリウムグリース
ファイバーグリースとも言われる。欠点として耐水性が弱いこと(ナトリウム塩は水に溶けやすい)

3.アルミニウムグリース
なめらかなグリース。付着性が良いが、高温に適さない

4.リチウムグリース
耐熱、耐水性が良い。万能グリースとして最も使用されている。とりあえずこれ使っとけ的な立場にある。

二硫化モリブデンが添加されている場合、高回転、高負荷耐性が上がります。これがモリブデングリスが自動車などの軸受(回転を支える部分)、ベアリングによく使われる理由です。


参考

MonotaROは業務用製品を取り扱うオンラインショップです。グリスの種類と特徴についてのまとめが載っています。

[blogcard url=”https://www.monotaro.com/s/pages/cocomite/324/”]

[blogcard url=”https://www.monotaro.com/s/pages/productinfo/kurisu_howtochoose/”]

[blogcard url=”https://www.juntsu.co.jp/qa/qa0801.php”]

[blogcard url=”http://www.chuo-yuka.co.jp/knowledge.html”]

まーさんのグリスの使い方の解説動画です。少し長いですが目で見て分かります。

同じくグリスの使い分けに関する動画です

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