スティレクロスカップリング: Stille Cross Coupling

スティレクロスカップリングについて

スティル反応(右田・小杉・スティレカップリング反応)は有機ハロゲン化合物(R-X)と有機スズ化合物をパラジウム触媒下で行うクロスカップリング反応です。

スティル反応の概要 from wikipedia public domain

パラジウム以外の金属ではマンガン、ニッケル、銅が反応を触媒することが知られています。また触媒量のスズを用いる方法も開発されています。

アリールハライドと有機スズ化合物のPd触媒カップリング反応は1976年にColin Eabornの報告が最初です。この報告以降、1977年に右田、小杉ら、1978年にStileによって改良されていきました。その後1980年の初頭から反応の利用法がStilleらを中心に開拓されました。

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有機スズ化合物の利点

有機スズ化合物の多くの官能基に影響を与えないことが分かっています。

Stilleクロスカップリングの反応条件は多くの官能基(カルボン酸、アミド、エステル、ニトロ、エーテル、アミンヒドロキシ、ケトン、ホルミル基)に適合しており、立体的に複雑なカップリング剤にも適用できます。また、ほかの反応性有機金属化合物と違い、水分や酸素にも敏感ではありません。有機スズ化合物は問題なく合成、単離、保存できます。

有機スズ化合物の欠点

有機スズ化合物の欠点としてはスズの毒性と合成したクルードからスズ副生成物を完全に除去することが難しいことです。Stilleカップリングにおける副反応は有機スズ化合物の酸化的ホモカップリングです。また厳しい条件では、アリルやアルケニル成分の二重結合の転位や異性化が起こります。

また、有機スズ化合物の毒性も高いです。

反応機構

スティルカップリング反応における活性な触媒は系中で形成する14電子Pd(0)錯体と考えられており、パラジウム(0)錯体を直接あるいは配位子を加えて使用します。

二価パラジウム触媒を使用することもできます。これらは触媒プロセスの前に有機スズ化合物やホスフィン配位子で還元されます。触媒サイクルにおける律速段階はトランスメタル化です。Pd(II)中間体に対するトランスメタル化はスズカップリング剤上にある置換基で異なっていて、その転位速度はアルキニル>ビニル>アリール>アリル=ベンジル>アルキルの順になります。アルキル置換基の転位速度は非常に遅いので、三つのメチルまたはブチル基をもつ混合型有機スズ化合物ではアリールあるいはビニル基が移動します。

スティルカップリングの反応機構 from wiki by Crshugrue [CC BY-SA (https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0)]

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