化学反応

シュタウディンガー反応: Staudinger Reaction

シュタウディンガー反応について

有機アジドと三配位リン化合物(たとえば、トリアルキル、トリアリールホスフィン)によってアザ-イリドを与える反応は、Staudinger反応と呼ばれています。

シュタウディンガー反応の特徴

反応は通常きわめて速く、副生成物を伴うことなく定量的に進行します。様々な構造の三配位リン化合物、およびアジド化合物を用いることができます。アルキルおよびアリールアジドとトリアルキルまたはトリアリールホスフィンから合成したイミノホスホランは安定に単離することができますが、リン原子上にアルコキシ基をもつ場合はアルキル転位を起こしやすいです。

合成中間体としてのイミノホスホラン

合成中間体であるイミノホスホランから種々の返還を行うことが可能です。例えば、官能基および立体選択的に加水分解してアミンを与えます。カルボニルまたはチオカルボニルとの分子内あるいは分子間反応によってイミンを与えます(アザーWittig反応)。カルボン酸と反応させると、N-置換アミドを与え、酸ハロゲン化物との反応ではハロゲン化イミドイルを与えます。オゾン分解を行うことで、ニトロ化合物が得られます。

反応の歴史

1919年にH. StaudingerとJ. Meyerはフェニルアジドとトリフェニルホスフィンの反応によって、窒素の発生を伴ってホスフィンイミン(アザ-イリド・イミノホスホラン)を定量的に生じる反応を報告しました。ベンゾイルアジドもトリフェニルホスフィンと同様の反応を起こし、ベンゾイルアザイリドを与えることを報告し、ホスフィンイミンの反応性も検討し、フェニルアザーイリドと二酸化炭素との反応でフェニルイソシアニドとホスフィンオキシドを与えることを示しました。

反応機構

Staudinger反応の機構に関して多くの速度論的あるいは計算化学的な研究が行われていますが、未だ完全な理解には至っていません。実験化学的にはフリーラジカルやナイトレン中間体の生成の確認は見られていないことから、これらを経由する反応機構は進行していないと考えられます。

反応機構の初めの段階では、三配位リンがアジドの置換されていない窒素原子を立体保持で攻撃し、ホスファジド(単離が確認されている)を与えます。次に、四員環遷移状態を経由して窒素を失いながらイミノホスホラン変換されます。リンのα窒素への攻撃については、アジドの結合が直線構造ではなく約170°の角度をもつことから、二つの接近方向が可能です。γ窒素上の置換基Rと同じ側からの攻撃はトランス遷移状態を経由し、γ窒素上の置換基Rと逆側からの攻撃はシス遷移状態を経由します。DFT計算によると、リンとγ窒素との相互作用のため、シス遷移状態の方が有利になります。

実験手順

 

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えぬてぃー
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専門: 有機化学

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