炭酸を飲むとピリピリ刺激が来るのはなぜ?
炭酸飲料を飲むとピリピリと痛みを感じるような刺激が広がります。
果たしてこの刺激はどこから来るものなのでしょうか?
ただの水を飲んでもこのような刺激はないですが、炭酸水では刺激を感じます。炭酸水にはたくさんの二酸化炭素が溶けています。したがって二酸化炭素が何か関係していそうですね。
炭酸は弱酸性だからとかガスがはじける物理的な刺激などと予想される方もいるでしょう。
南カリフォルニア大学のEmily R. Liman 教授らのチームは炭酸水が刺激を引き起こす仕組みを発見しました
炭酸は痛みを引き起こす受容体を刺激する
辛味は「痛み」と聞いたことは無いでしょうか?
辛味を引き起こす物質として有名な「カプサイシン」は感覚神経に存在するTRPV1と呼ばれるイオンチャネルを活性化することによって神経興奮が起こり痛みとして脳に伝わる仕組みです。
TRPV1とは
TRPV1はカプサイシンなどの化学物質や熱、酸などの刺激によって活性化するとナトリウムイオンやカルシウムイオンなどの陽イオンがチャネルを介して神経細胞の中に流れ込むと神経細胞が発火してその信号が脳に送られて痛みや灼熱感を感じます。
南カリフォルニア大学の研究チームは炭酸がカプサイシンが作用するものと同じTRPV1を刺激することを発見しました。
TRPV1を欠いているマウスでは炭酸水を飲んだ時の反応が大幅に低下したそうです。
激辛に強い人はもしかしたら強炭酸に強いかもしれません。逆に炭酸が苦手という人は辛いの苦手なのでしょうか。
子供が辛いのや炭酸が苦手なのと関係あるのでしょうか?
Wang, Yuanyuan Y., Rui B. Chang, and Emily R. Liman. “TRPA1 is a component of the nociceptive response to CO2.” Journal of Neuroscience 30.39 (2010): 12958-12963.