さつまいもについてる蜜は甘いのか?
さつまいもはそのまま焼き芋にしても自然な甘味があるので美味しくいただけますよね?
そんなさつまいもに褐色のベタベタした蜜のようなものが付いているのを見かけたことはありませんか?
この蜜のようなものがたくさんついているほど甘そう!と思うかもしれませんが残念ながらこれは甘い蜜ではなくヤラピンという物質です。
さつまいもの黒いべたべたは甘い蜜ではなくヤラピンという物質で甘くありません。
ヤラピンとは?
ヤラピンは糖質と脂質が組み合わさった糖脂質と呼ばれる物質です。
ヒルガオ科やユウガオ科の植物からは沢山の糖脂質が発見されています。これらは樹脂配糖体とも呼ばれます。樹脂配糖体は茎や樹脂を傷つけると乳白色の液体として分泌されます。
植物由来の糖脂質は民間薬としては下剤などとして使われていたようですが、近年は抗癌、抗菌、植物生長作用など様々な生物活性が注目されています。
乳白色の液体と黒い蜜状物質は同じもの?
さつまいもの端っこからたれてくる乳白色の液体には糖脂質のヤラピンと酸化重合しやすいポリフェノールの一種クロロゲン酸が混合しているため、空気にふれると酸化重合をおこして褐色のベタベタした物質に変化します。
さつまいもの糖脂質ヤラピンは単一の物質ではなく、糖と脂質の組み合わせによって複数のパターンがあります。

1) ONO, Masateru, Toshio KAWASAKI, and Kazumoto MIYAHARA. “Resin Glycosides. V.: Identification and Characterization of the Component Organic and Glycosidic Acids of the Ether-Soluble Crude Resin Glycosides (” Jalapin”) from Rhizoma Jalapae Braziliensis (Roots of Ipomoea Operculata).” Chemical and pharmaceutical bulletin 37.12 (1989): 3209-3213.
ヤラピンは長鎖のヤラピン酸とラムノース及びフコース、グルコースなどの糖類が組みあわさった物質です。