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指紋の役割とは?なぜ指紋はあるのか?

指紋の役割ってなに?

指紋といえば、最近はスマートフォンのロック解除など生体認証に使われていますが、そもそも指紋って何のためにあるんでしょうか?

こめやん

指紋の役割ってなんでしょうか?

指紋の役割とは?

指紋を持っているのは人間や猿などの霊長類です。ペットの猫や犬の肉球ではんこを押しても人間のような指紋は見られません。似たようなものでは牛は鼻紋(びもん)といって、鼻に指紋のような独特な模様があるそうです。この鼻紋は品種登録のときに利用されているようです。1922年に羽部らの研究により、この鼻紋は和牛の個体識別に利用できることが報告されています。

霊長類に指紋があるという点でもピンと来るかもしれませんが、指紋の役割は大きく2つあると考えられています。

  • 指先の感覚を敏感にする目的
  • ものを掴みやすくするために摩擦を増やす目的

です。霊長類は手でものを掴んだりするので、つるつる滑らないように指紋のような凸凹を付けたと考えられています(そうではないとする学説もありますが実験モデルに問題がありそうです2,3)

また、指先の感覚も鋭敏でなければ精密な作業がやりにくいですよね?実際に人の神経は手に集中しているようです(ペンフィールドのホムンクルス)。指先が凸凹していることで、どの部分が物に触れたのか?という感覚が伝わりやすくなります。指に沢山触覚が生えているというような感覚ですかね?


みんな指紋が違う理由

指紋は人それぞれみんな違うと言われています。だから、指紋認証というセキュリティ認証が存在しているわけですが。

指紋て遺伝したりしないの?家族だと同じパターンはないの?という疑問が浮かぶかもしれません。

実は、遺伝子が似ている家族では指紋も非常によく似るそうです。しかし、一致するわけではありません。それどころか、全く同じ遺伝子を持っている一卵性双生児であっても指紋は一致しないそうです。それでもやはり、一卵性双生児は顔だけでなく指紋もよく似ていることは確かなそうです。

残念ながら、指紋を決定する遺伝子などはまだ良くわかっていません。指紋を形作る遺伝子はこれまでに複数報告されています。このことからも指紋ができるのは複雑な過程を経ているであろうことが想像できます。

現在指紋は遺伝的な要因環境的な要因が複雑に絡み合って個々の指紋が決定されると考えられています。指紋は生後1年までに決定されてそれ以降は生涯同じ指紋のままであるそうです。すごいですよね?指紋の形が変化するのは、環境要因(薬品や傷等)だと考えられます。ちなみに職業上指紋が消えやすい人たちがいますそれは、「美容師」「医師や看護師等の医療従事者」「銀行員」美容師はシャンプーやカラーなど指先を多く使いさらに薬品をよく使用するためです。医療従事者もアルコール消毒などで消えやすいようです。銀行員はお札を数えるためでのようです。そう考えると有機溶媒で手を洗うような「塗装業、内装業」や「合成化学研究者」も指紋が消えそうですね。[chat face=”komeyaniro.png” name=”” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]手の脂なんてアセトンで流されて常にカサカサになりましたね[/chat]

参考文献

1) Are fingerprints determined by genetics?, NIH U.S National Library of Medicine.

2) 大村拓登, 指紋モデルの凹凸による摩擦力増加の研究, 渋谷教育学園幕張高等学校, 第13回「科学の芽」賞

3)Warman PH, Ennos A.R. “Fingerprints are unlikely to increase the friction of primate fingerpads.” Journal of Experimental Biology 212.13 (2009): 2016-2022.

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