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観察者バイアス | 科学でも問題になる?

観察者バイアス

観察者バイアスは日常のいたに存在している認知バイアスの一つです。
みなさんは物事を客観的に、公平に判断できていると思いますか?

「はい」と答えたあなたは、観察者バイアスが高い人かもしれません。公平に判断していると思っていても実際は、自分が見たいように見ている可能性があるのです。

観察者バイアスとは?

観察者バイアス (Observer bias)とは、「観察者がある期待した結果を得たいと考えているとき、期待している結果のみを意識しすぎてそれ以外の結果を見過ごしたり、軽んじたりする傾向のこと」です。実際には無意味な結果が得られていても、無理やり期待した結果に合わせるように理論づけたり、解釈したりして都合よく考えてしまう傾向のことです。


科学における観察者バイアス

研究者は観察対象に対して自分が考えた予想や期待する結果が頭の中に入っています。このような研究対象に対する知識や自身の感情によって、得られた結果が満足できない期待されないものであると過小評価したり、期待された結果がでたら過大評価したりして正しい実験の解釈が難しくなります。観察者バイアスは無意識下でも起こってしまうことが問題です。
観察者バイアスの例として、犯罪捜査におけるDNA検査などがあります。科学捜査官が被疑者への嫌疑の念が強いと得られるデータの解釈が歪められる可能性があります。通常DNA検査はDNAサンプルによって結果が大きく変化します。DNAが一致しなかった場合、DNAが損傷しているのが原因だから別のサンプルが必要などと考えて一致するまで実験をしたり、一致した場合は思ったとおりとしてサンプルの汚染などの可能性を軽視してしまいます。

観察者バイアスがかかりやすい人と対策

観察者バイアスにとらわれやすいひとは、自分に自信のある人に多いと思います。自分の予想は大体的中すると思っている人は注意です。

観察者バイアスを低減させるためには、バイアスが存在していることを認識するのが重要ですが、「自分はそのようなバイアスにはかからない」というような考えを持つ人は要注意です。どんな人でも観察者バイアスを完全に無くすことは不可能だからです。

期待通りの結果が得られたときこそ、偶然良い結果が得られてしまった可能性はないか?とかエラーはないのか?という視点で結果を客観視することが重要です。

観察者バイアスは研究者にとっては大敵です。

有意差があることを期待したが、有意差がなかった結果に対しては差がない理由を探して何度もやり直すとか、たまたま良い結果の場合は特に精査せずに正しい結果と解釈してしまうなどの行動を取ってしまいます。その場しのぎになっても後で大変なことになるので注意しましょう。

何かの結果を解釈するときは、「こういう結果が得られているはずだ!」という視点ではなく。「他にどんな結果が起こるか予測する」などあらゆるパターンの想定ができるように意識すると観察者バイアスを低減することができるでしょう。

医薬品の効果をヒトを使って調べる実験では「二重盲検法」という方法が取られます。これは調べたい医薬品と偽物の偽薬を使って、患者側は本当の薬か偽薬かは分からないように実験します。そしてその結果を観察する側も、どの患者が本当の薬か偽薬かが分からないようになっています。「二重盲」の文字通り、患者と観察する医師側どちらも効果があるとされる医薬品が誰に与えられているかを知らない状態で実験することで、観察者バイアス(+プラセボ効果など)をへらす工夫をしています。

自分だけで結果を解釈すると主観が働いて自分が思いたいように考えてしまうので、誰か他の人に意見や解釈を求めるのが重要です。こんな結果が得られたんだけどどう思う?というようなディスカッションを日々行うのも良いですね。

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