心理学

現状維持バイアス

現状維持バイアス

現状維持バイアスとは?

現状維持バイアスとは「変化や予測不能な自体を避けるため、現状を維持し続けようとする傾向のこと」です。例えば、「嫌で辞めたいと思っている仕事を続けてしまう」「食堂でいつも同じメニューを頼んでしまう」「好きではなくなった恋人といつまでも付き合ってしまう」などが挙げられます。

現状維持バイアスの問題は、現状に幾分かの不満を持っていても、その現状を維持し続けてしまうことにあります。

現状維持バイアスが生じる原因

現状維持バイアスは「リスクを避け、命の危機を回避するための生存戦略」です。眼前のリターンを求めてリスクをとってしまうと、現状の最低限の状態を悪化させてしまう危険があります。本能的に存在する現状維持バイアスのおかげで、我々は自らの行動によって危機的状況を呼び起こすのを避けることができます。野生環境では楽観的に、挑戦的に行動してしまうほうが身を滅ぼす危険性が高いということでしょう。

そもそも、変化をもたらすような行動は、その行動の先に現れる結果について予測することができません。予測ができないことについて人は恐怖を感じるものです。ですから、確実に行動によるメリットが得られることが確信できない限りは行動を起こせないことが多いです。

しかし、本当に行動が必要な状況が訪れれば、誰でも行動を起こすことができるはずだと思いませんか?それでは現状維持バイアスは問題ではないようにも思えますよね?

現状維持バイアスのデメリット

現状維持バイアスのデメリットは、現状維持バイアスが強すぎると現状を維持することによってますます状況を悪化させてしまうにもかかわらず、行動が取れなくなってしまうことがあるからです。

何事も現状を打破して、現状を変化させるためには何らかの行動が必要です。失敗を恐れて何も行動が取れずに硬直状態になってしまうと改善できるチャンスを逃して、何も行動せずに気がつけば取り返しのつかない自体になってしまっているかもしれません。

現状維持バイアスの怖いところは、現状が悪化していくときのほうが現状維持バイアスが強く働くところです。今すぐにでも行動が必要なときでも、現状を維持するための対策だけで大きな行動がとれなくなります。もっと最悪なパターンは、行動によって明確なデメリットが無いにもかかわらず行動が取れない状態です。

組織内においても現状維持バイアスは厄介です。より状況をよく知っている当事者が変化を起こすための行動をとろうとした時に、上司に現状維持バイアスが働いて部下の行動を制限してしまうと、せっかくの行動を起こすチャンスが潰されて、組織の自浄作用が失われてしまいます。このような高価は、大きな組織になるほど強く働く傾向があるでしょう。

現状維持バイアスを打破するために

現状を維持して新しい行動を取りにくいという心の癖があることを認識しましょう。現状で満足できる場合は良いですがそうではない時は、その現状を変えるための行動が不可欠です。現状維持バイアスにとらわれないためには、損行動によってどんなメリット、リスクが有るかを定量的に捉え、現状を維持することと比べて行動を起こす価値があるかを客観的に判断しましょう。他人に意見を求めるのも良いアイデアだと思います。ときには失敗を恐れず思い切って行動してしまうのも手でしょう。

現状維持バイアス自体は悪い傾向ではないと思います。しかし、必要な時に、必要な行動が取れなくなってしまうことは問題でしょう。今やっている行動が一体何のための行動かを見定めることが重要です。その目的のための最善の行動をとろうとするならば、現状維持バイアスはもはや問題とはならないはずです。

 

 

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こめやん
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こめやんは理学博士です!化学の面白さと学ぶメリットを少しでも伝えるために日々頑張ります! ツイッターにて疑問点や依頼などを募集しています! 論文の和訳やレポートのチェックなどでもお気軽にお待ちしております