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除光液の成分 アセトンは安全?シンナーと同じ?代用品はあるの?

マニキュアや除光液を使用すると部屋に化学物質の匂いが充満して、気持ち悪くなるといった経験はないでしょうか?

マニキュア臭い

いかにも体に悪そうな匂いをしているため安全性が気になりますよね?

本記事の内容

  • 除光液の匂いの由来
  • 除光液の成分とは何か?
  • 安全性
  • 代替品はある?

除光液・マニキュアのニオイ成分の正体は酢酸ブチル

除光液の匂い成分は

酢酸ブチル

という成分です。

酢酸ブチルは強い匂いを放ちますが、これはわざと加えているようです。

除光液は透明で水のような見た目をしているため、小さい子供が誤って飲み込む可能性があります。

これを防ぐために匂い成分を加えているんですね。

除光液の成分は安全?

除光液の安全性は結論からいうと

通常の使用範囲では除光液の成分(酢酸ブチルやアセトン)の危険性は低い

です。

体に悪そうな匂いを放っているので危険な気がしますが、体に触れるものでもあるため、危険性の低い成分が使われています。

ただし、体に良い成分というわけではなく、あくまで通常使用の範囲です。

  • 飲みこむ
  • 目に入れる
  • 故意に吸引する

といったことをすれば健康に害を及ぼします。

特に乳幼児など子供が誤って飲まないように管理し、使用時は換気をするように心がけましょう。

除光液の成分について

除光液に含まれている匂い成分は酢酸ブチルトルエンいう化学物質です。

除光液に含まれる成分

またこれらの成分以外にも、ブタノールや酢酸エチル、イソプロパノールなどという成分が複雑に絡み合った臭いを醸し出しているようです。

こめやん

個人的にはブタノールのにおいが苦手です。薄めたチーズや足の裏のような臭いがします

なかでも酢酸ブチルは強い臭気を持つ成分です。結構嫌な臭いと感じる人も多いかもしれませんが、実はバナナの香りなど多くの植物に含まれる香気成分の一つでもあります。

こうした匂い成分は主成分ではなく、除光液の種類にもよりますが、主成分は「アセトン」という化学物質です。

アセトン自体はそこまで強烈なにおいは無いため、酢酸ブチルなどの匂い成分が添加されています。

おそらく乳幼児の誤飲を防ぐためにわざと入れていると考えられます。

MEMO
強烈な臭い成分の正体は”酢酸ブチル”と呼ばれる化学物質でバナナの香り成分の一つでもある



除光液の毒性は?安全性は?シンナーとは違うの?

アセトンや酢酸ブチル、トルエンといった化学物質は有機溶剤と呼ばれています。

「溶」という漢字からも想像できますが、
塗料や樹脂を溶かすために必要な成分です。塗料や樹脂は水に溶けないので仕方なく有機溶剤を使っています。
除光液に含まれる化学物質の構造
気になる健康への影響ですが、当然体に良いものではありません

皮膚への刺激性等様々な毒性があります。特にトルエンはシンナーの主成分の一つなので、トルエンがたくさん入った除光液を吸引するとシンナーを吸っているのと同じことになり、脳など体にダメージを与える可能性があります

トルエンはマニキュアに含まれていることが多く、除光液にはアセトンや酢酸ブチルが含まれることが多いです。

豊洲移転問題で話題になったベンゼンは強い発がん性が認められています。トルエンはベンゼンととても近い形をしているため、発がん性があるのか不安になりますが、一応トルエンはIARC(国際がん研究機関)によりグループ3(発がん性は認められていない)に分類されているためその点は安心できます。

化学物質名LD50(ラット、経口) mg/kg
ベンゼン1620 mg/kg
酢酸ブチル>3200 mg/kg
アセトン>5000 mg/kg
トルエン>5000 mg/kg

出典:関東化学株式会社、安全データシートより

急性毒性の指標の一つであるLD50は化学物質をラットに経口投与させた際に半数が致死する投与量です。

MEMO
人間とラットでは化学物質に対する感受性が異なるので一つの指標程度に。長期毒性と急性毒性も異なる点も注意です。参考程度に。(動物愛護の観点から投与量が制限されています。酢酸ブチルは3200mg/kgの量までしか調べていないということです。)

これをみるとアセトン、酢酸ブチル、トルエンともにそこまで毒性があるものではないようです。

しかし、ベンゼンはやはり毒性が高いんですね。

アセトンは発がん性、突然変異性、生殖毒性、変異原性は動物実験では確認されていません。

アセトンは代謝によりギ酸と酢酸に分解されます。半減期は短く4時間で蓄積はしにくいです。

高濃度の蒸気を吸引した場合頭痛やめまいなどの症状を、目や鼻などの粘膜を刺激します。

アセトンが比較的毒性が低い点としては体内でもアセトンが生成している事実があります(糖尿病患者では体内のアセトン量が増加し、代謝により酸を作り出すことから、血液が酸性になる代謝性アシドーシスを引き起こします)。

従ってアセトンの摂取は最低限度にとどめるべきですが、換気など正しい使い方をすれば大きな危険性は少ないと考えられます。

Environmental Health Criteria No.207, Acetone 1998

臭くない・安全な除光液とは?アセトンフリーや天然成分は安全なの?

除光液の臭いに関しては、人によって感受性の違いもあると思いますが、酢酸ブチルが含まれてい無いものを選ぶと臭いが軽減されると思います

ただし、アセトンも臭いがするので、アセトン臭が嫌いな場合はアセトンが含まれていないものを選びましょう!(アセトンは分子が小さく揮発しやすいのでその分、においや吸入量も大きく、毒性も発揮されやすい)

臭わず、安全なものを選ぶとしたら、おすすめは天然成分で作られたものです。臭いに関しては天然のものでも結構臭いがするものが多いですが、オレンジ臭いなど嗅ぎなれている香りのほうが安心できますし、気分も良いものです。オレンジオイルは「リモネン」という成分で安全性が高く、柑橘系の香りが心地よいですよ!

リモネンを食べるとがん予防効果がある

天然成分はアセトンやトルエンなどよりも健康への悪影響は少ない物が多いです。

アセトンよりも爪が白くなりにくいのも利点です。

欠点はアセトンよりもマニキュアの除去力が小さいところです。

天然成分でなくても、炭酸プロピレンという化学物質はアセトンや酢酸ブチル等など比べると臭いも薄めで、毒性も低いのでおすすめです。(炭酸プロピレンは分子がアセトンよりも大きいので沸点が低く、揮発しにくいので臭いも少ない)

γ-ブチロラクトンの安全性が疑問視?

アセトンフリー商品の存在がアセトンに毒性があるという印象を抱かせる一方で、本当にアセトンフリーに使われる成分の安全性が高いのか?という疑問に対しては検証する余地が残っています。

ある論文ではアセトンフリーに使用するγブチロラクトンという成分の危険性について報告しています。

x) Brown, Justin J., and Charith S. Nanayakkara. “Acetone-free nail polish removers: are they safe?.” Clinical toxicology 43.4 (2005): 297-299.

γブチロラクトンはかつて運動能力向上などの機能をうたった健康食品として使用されていた過去がありますが、体内で速やかに代謝されて生じるガンマヒドロキシブチレートの毒性が認められたためFDAが違法とした経緯があります。

γブチロラクトン

γブチロラクトン

ケース1

15か月の女児がγブチロラクトンを含む除光液を口にしているのを目撃したため、水を与えたが5分後急激に咳症状を呈し、昏睡、呼吸困難となり、5日間に及ぶ集中治療を要した。13日後に退院し、2か月後には神経的な後遺症などは残さなかった。(どのくらい摂取したかは不明でごく少量だと推測?)x)

安全性に関する考察

γブチロラクトンが代謝されて生じるガンマヒドロキシブチレートは神経に作用するためかつて麻酔薬としても使われた経緯があります。ガンマヒドロキシブチレートの毒性に関しては中枢神経系等に作用して幻覚や興奮、錯乱、筋緊張低下、傾眠、無呼吸、徐脈、嘔吐などの作用を及ぼしますx)

50%γブチロラクトン液50mL を飲んだ成人は両人とも45分以内に昏睡状態に陥っています(治療により回復)x)

代謝物の毒性が明らかであるγブチロラクトンの使用は有害性があることを考慮する必要があり、アセトンフリーだからといって安全だという誤った解釈は事故を起こす引き金になることを考えておかなければなりませんね。


アセトン100%を使うのも有り?

市販されている除光液は誤飲を防ぐために臭いづけられています。除光液の主成分はアセトンですが、実はアセトン自体はそこまできつい匂いは持っていません(もちろん匂いはありますが)。そのため、アセトン100%の除光液を利用したほうが強力で、においも少ないです。除去力の弱い除光液を利用するよりもさっと落とせるアセトンのほうが爪へのダメージも少ない場合もあるかもしれません。

落としにくいネイルはアセトン100%を使って落とした後、LUCIAなどのネイルリペアクリームなどを使ってケアすれば、それほど爪へのダメージは受けにくいかもしれません。頻度によって使分けると良いかも?

除光液には爪の白化(脱水作用による)を防ぐためにワックス成分のラノリンや除去作用を穏やかにするためイソプロパノール、PEG類、グリセリン、水を加えています。

・マニキュアのキツイ臭いが気になる場合は酢酸ブチルが入っていないものを選ぼう

・マニキュア成分は通常使用の範囲では危険性は低いですが、気になる方は天然油(オレンジオイル)を使ったものを選ぶ

・使用時は換気を心がけよう

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