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イソオキサゾール環の合成・医薬品構造としての有用性レビュー

イソオキサゾールの医薬品構造としての

イソオキサゾールは五員環中に窒素と酸素を2つ含む五員環の複素環です。オキサゾールの異性体にあたります。イソオキサゾール環を含む天然物にはアルカロイドのイボテン酸があります複素環のまとめ – ヘテロ環の名前、命名法

イソオキサゾールは天然物では珍しい構造ですが、Cox-2選択的阻害剤のバルデコキシブなど多くの医薬品構造として重要です。

この記事ではイソオキサゾールの合成や医薬品構造としての有用性をレビューします。

イソオキサゾールとは?

イソオキサゾールはオキサゾールの異性体で1,2位に酸素、窒素を有する五員環の複素環です。

イソオキサゾールは天然物中にはあまり見られませんが、その有用性から医薬品や農薬などの構造に組み込まれています。

他のヘテロ環としてはピリジンやピラゾール類と似た性質を示します。

溶解度

イソオキサゾールは高い水溶性を持つため、水溶性の環構造として重要です。

イソオキサゾールの溶解度

イソオキサゾールの分子間結合




イソオキサゾールの反応

イソオキサゾールの合成

3,5-置換のイソオキサゾールの合成はαニトロケトンを強酸でニトリルオキシドとしてアルキンを反応させることによって得られます。

イソイソオキサゾールの合成

イソイソオキサゾールの合成

オキシムとアルキンでも合成できる。

求電子置換反応

無置換のイソオキサゾールはニトロ化などの求電子置換反応が進行しにくく困難です。

一方で3位や5位に電子供与性の置換基(アルキル、フェニル)がある場合はニトロ化は容易に進行します。

医薬品の部分構造としてのイソオキサゾール

イソオキサゾールは抗がん剤、抗菌剤、抗うつ剤、抗炎症剤、抗ウイルス剤などの医薬品に組み込まれています。

イソオキサゾールの医薬品構造

イソオキサゾールの医薬品構造

医薬品部分構造としての特性

イソオキサゾールは以下の官能基・化学構造と置換可能です。

  • ベンゾチアゾール
  • カルバモイル基(HOC=O-NH2)
  • オキシム
  • ベンズアミド→5-カルボキサミドイソオキサゾール
  • ピリジン
  • アセチルアセトン
  • トリアゾール

特にタンパク質の極性スポットに位置する部分にイソオキサゾールを導入すると活性が向上する場合があります

ベンゼンに対するピリジンのような使い方が可能です。

疎水性が高い構造に対してイソオキサゾールを入れるとプロパティが改善する可能性があります。

複素環のまとめ – ヘテロ環の名前、命名法

参考文献

1) Chiranjit Jana and Subhasis Banerjee, Der Pharmacia Lettre, 2016, 8(8):121-136

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