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吸湿性物質の取扱い

吸湿性物質の取扱法

吸湿性物質は空気中に放置すると水を吸収してしまう化合物の総称です。吸湿性物質は水を吸収して水和物になったり、分解してしまう化合物もあるので気をつけます。そんな吸湿性物質の例と取扱について紹介します。

吸湿性物質

水は反応の邪魔をしてしまうため避けられる物質です。吸湿性物質は水を吸収することから、反応に水を混入させてしまう原因となります。水は分子量が小さく18mgあれば(パスツール一滴くらい)1mmolにあたります。そのため注意を払う必要があります。

化合物の種類 化合物の例
アルカリ金属 Li, Na, K
水素化物 LiAlH4,NaH,KH,CaH2、BH3、Bu3SnH
有機金属 アルキルリチウム、アルキルアルミニウム、グリニャール試薬、有機亜鉛試薬
ルイス酸 塩化アルミニウム、TMSCl、塩化スズ、塩化チタン
強塩基 t-BuOK, NaOH, NaOMe, 炭酸セシウム
極性溶媒 THF、MeCN、MeOH, DMF、DMSO、NMP
その他 p-TsOH、クラウンエーテル、TBAF、

取扱における注意点

容器の選択

ガラス容器は無駄におおきな大きさのものを使用しないほうがよいです。その分空気が入る可能性が増えるからです。また、ガラス容器は表面に水が付着している可能性があります。そのため吸湿性物質を扱う場合はガラス容器を120℃で一晩加熱したのち、乾燥室で常温に戻してから使用します。(不活性ガス置換下でも良い)
グリニャール試薬に使用するマグネシウムなど、試薬を同時に乾燥させたい場合やさらに乾燥させる必要があるときは、不活性ガス置換下あるいはフロー状態で、ヒートガンやバーナーで容器を炙って乾燥させます。

不活性ガス

不活性ガスの代表には窒素やアルゴンがあります。窒素は不活性と言われていますが、条件によって反応するため、アルゴンを使用した方が良いです。

アルゴンと窒素はどちらが不活性不活性ガスの窒素ガスとアルゴンガスはどっちが良い?

ジョイント部分の取扱

ジョイントは透明すりなど密着性のたかいものを利用します。グリースを薄く塗って密着性を高めましょう。

液体試薬の輸送

無水状態で調製した液体試薬の容器間の移動はキャヌラが便利です。ステンレスの両刃キャヌラを使って、移動元の液体の方に不活性ガスで内圧をかけて、液体を移動させます。キャヌラを刺すときは不活性ガスをキャヌラに流しながら(移動元の液体に針先をつけずに空気中に浮かせた状態で不活性ガスで内圧をかけるとキャヌラから不活性ガスが流れる)、移動先のセプタムに接続します。

8分30秒あたりからカヌラの使い方が説明されています。

シリンジを活用

シリンジは空気に触れないで試薬を移動するのに役立ちます。シリンジも他のガラス器具と同様に乾燥させる必要があります。テフロン等のマイクロシリンジは120℃ではなく50℃くらいで乾燥させます。
針が詰まりやすいので使用後はすぐに溶媒ですすいで洗浄します。

古い試薬は使わない、出さない

吸湿性物質は気をつけていてもどうしても吸湿してだめになってしまいます。購入する時は使用量を考えて大きなサイズの試薬を買わないように気をつけましょう。古い試薬はだめになっていることがあるので微妙な場合は使用しないようにしましょう。
サイズが大きい試薬に関しては小さい容器(アンプルやサンプル瓶)に移し替えて小分けにして保存すると長持ちします。不活性ガスで置換して凍庫に保存します。フタ類はパラフィルムで覆って密栓しましょう。

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