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DMBQを用いたエステル化 立体障害に強いエステル化試薬!

DMBQのエステル化機構

DMBQは立体障害に強いエステル化試薬

DMBQはキノン系のエステル化剤で市販されています(1g 5200円 TCI)。

リン試薬でエステル化する方法には光延反応があります。光延反応は副生するトリフェニルホスフィンオキシドの分離が問題であり、また脂肪族カルボン酸のエステル化や嵩高いアルコールのエステル化は満足いくものではありません。

近年PPh2PCl/イミダゾール/ヨウ素を使ってエステル化する方法が報告されています。この方法では副生するリンは塩基性水溶液で除去可能ですが、嵩高いアルコール(アダマンタノール)には適用できない欠点があります。また、立体に対する議論はほとんどなされていません。

PPh2PClヨウ素イミダゾールエステル化法Ph2PCl/イミダール/I2によるエステル化

DMBQ/n-BuLi/Ph2PClを使った方法は、新しいタイプのエステル化試薬です。

反応の機構

まずアルコールはブチルリチウムとジフェニルホスホリルクロリドとの反応でアルコキシホスフィンが立体保持で生成します。

アルコキシホスフィンはキノンによる酸化を受けて生成した中間体に対してカルボキシラートがアルコールに攻撃して立体反転したアルコールが得られます。

DMBQのエステル化機構

DMBQのエステル化機構

この反応ではアダマンタノールなどの各種第三級アルコールに対して約9割の高収率で得られます。

DMBQの反応例1

DMBQの反応例

反応条件

THF (5mL)中のアルコール(1.5mmol)の溶液に、アルゴン雰囲気下0℃でn-BuLi(1.5mmol)のヘキサン溶液を滴下した。溶液を室温で1.0時間撹拌した後、クロロジフェニルホスフィン(1.5mmol)のTHF(2mL)溶液を0℃で加えた。反応混合物を室温で1.0時間撹拌反応後、溶媒を真空で濃縮した。すぐに、カルボン酸(0.6mmol)、DMBQ(0.6mmol)、およびジクロロメタン(0.5mL)を残渣に加え、混合物を室温で18時間撹拌した。分液、PTLCにより生成して目的物を得た。

Mukaiyama, Teruaki, Taichi Shintou, and Kentaro Fukumoto. “A Convenient Method for the Preparation of Inverted tert-Alkyl Carboxylates from Chiral tert-Alcohols by a New Type of Oxidation− Reduction Condensation Using 2, 6-Dimethyl-1, 4-benzoquinone.” Journal of the American Chemical Society 125.35 (2003): 10538-10539.
まとめ

立体障害の大きい第三級アルコールのエステル化を行う方法は少ないので、DMBQを使ったエステル化は役立ちます。

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