ジメチルポリシロキサン 薬の成分に毒性・副作用はない?

ジメチルポリシロキサンとは?

ジメチルポリシロキサンとはケイ素元素を含むシリコーンの一種です。表面張力を低下させて泡が消えやすく働きがあるため、消化管内のガス排除剤として胃腸薬に含まれています。

ジメチルポリシロキサンの構造

ジメチルポリシロキサンの構造

医療用医薬品の一般名は「ジメチコン」です。

医薬品としてケイ素化合物は珍しい

このジメチコンですが、構造式中にケイ素が入っています。ケイ素はあまり馴染みはないかもしれませんが、特別珍しい成分ではありません。ケイ素は岩石など主に地殻中に含まれ、最も多い酸素の次に多い元素なんです。

玄武岩はSiO2が含まれる

玄武岩はSiO2が含まれる

石英もSiO2

石英もSiO2

身の回りの製品にもケイ素化合物はたくさん利用されています。グリース、シリコンゴム、ガラス、半導体などにはケイ素が含まれています。

とは言っても、口に含む成分としてはケイ素はマイナーです。ケイ素は炭素と同じ第14族に属しながら、炭素とは違って多様な有機化合物は作りません。そのため、生物中にも炭素のように豊富にみられないです。

医薬品としての利用例も少なくケイ素医薬品はジメチルポリシロキサン(ジメチコン)くらいしかないと思います。

ケイ素の生物利用

ケイ素は生物にとって不要な元素?

ケイ素化合物は生物にとってはマイナーな元素です。炭素ほど大量には見られません。しかし特定の生物にとってケイ素は必須の元素になっています。例えば珪藻は二酸化ケイ素を外骨格の成分として採用しています。大量のケイ素を消費するこれらの生物は地球上のケイ素循環に関わっています。動物でもケイ素は骨形成などに関与していると考えられ、欠乏症も報告されています。

参考) 池田丈. “地球上のケイ素の循環と生物の関わり (バイオミディア).” 生物工学会誌: seibutsu-kogaku kaishi 93.2 (2015): 95.

ジメチルポリシロキサンの毒性は?

ジメチルポリシロキサンなどシリコーン油は医薬品としてだけでなく消泡剤として揚げ油に添加されることもあります。ポリシロキサン熱や酸・アルカリにも侵されず安定性が高い化合物です。

ジメチルポリシロキサンは消化されずにそのまま体外に排泄されるために安全であるとされています。過敏に反応するほどのものではないでしょう。平成25年の食品安全委員会によるファクトシートによると大半のシリコン類は健康には影響しないと結論付けられています。

参考 取得できませんでした取得できませんでした

ジメチルポリシロキサンは揚げ油に添加すると消泡作用だけでなく油脂の酸化を抑制することが報告されています。酸化された油脂は風味が低下し、胸やけなど健康被害を引き起こす可能性もあるため油脂へのポリシロキサン類の添加はメリットがありそうです。

八幡美保, and 戸谷永生. “フライ油におけるポリジメチルシロキサンの抗酸化効果.” オレオサイエンス 19.3 (2019): 93-101.

ただ、消化されないといっても体に影響がないとは言えません。例えば消化できない大量の食物繊維をとったりするとおなかが緩くなったりするように、消化管症状がみられることはあるでしょう。

ジメチコンの副作用については副作用発現頻度が明確となる調査を実施していないことからどのくらいの頻度で副作用が現れるかはわかりませんが、軟便、胃部不快感、下痢、腹痛、嘔吐などの症状が現れる可能性があるようです。

ジメチルポリシロキサンの作用

ジメチルポリシロキサンは水などの分子と比べて表面張力が小さいです。表面張力は分子同士の結びつきが大きい分子ほど大きいことが知られています。例えば水銀や水は大きな表面張力を示す物質です。水銀は金属結合、水は水素結合によって分子同士が強く結びつくことが大きな表面張力を示す原因になっています。

水分子同士の結びつき(水素結合)が大きな表面張力を生む

水分子同士の結びつき(水素結合)が大きな表面張力を生む

ジメチルポリシロキサンは分極しておらず、水のような水素結合を形成しません。一般的にシリコーンオイルは表面張力が小さくぬれやすく、表面によく広がります。シリコーンオイルは泡表面を不安定化させることによって消泡作用を示します。消泡に関する詳細は下記の論文を参照してください

三浦太裕. “シリコーンの界面化学と消泡性.” Journal of Japan Oil Chemists’ Society 42.10 (1993): 762-767.

泡が腸内に発生するとガスだまりができやすく、排泄しにくくなります。そのためおなかが張って苦しくなります。

腸内ガスは食事の時などに一緒に飲み込んだ空気や腸内細菌によって生産されたものです。消化機能がしっかりしている場合はおならやゲップとしてうまく排泄されますが、消化機能が低下しているとガスだまりが起きやすくなります。ほかに

  • 食物繊維の多い食事をとる
  • 乳糖不耐症
  • 腸内細菌のバランス
  • 消化不良(よく噛まないなども)

などが原因になります。

実は腸管はガスを吸収します。例えば炭酸ガス(CO2)は吸収されやすいガスで腸によって速やかに吸収されます。泡が発生しているとこの吸収を阻害するので消泡させる薬を服用するわけです。

参考 おなかの張りの対処法 | おなかの悩み相談室 | 大幸薬品株式会社取得できませんでした

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