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Alloc基によるアミンの保護

Alloc基とは?

Alloc基とは

Alloc基はアリルオキシカルボニル基(Allyloxycarbonyl group)の略でカルバメート系のアミンの保護基です。Pd(0)を用いた穏和な条件で脱保護が進行し、他の保護基との直交性が高い点が特徴です。Alloc基は塩基条件、NaBH4といったヒドリド還元に対しては耐えますが、酸性条件にはあまり強くありません。
alloc保護

特徴・利点

Alloc基の利点や特徴は

  1. 脱保護の条件が穏和(中性・Pd(0))
  2. 直交性が高い
  3. クロロギ酸アリルは意外と安価

などの特徴があります。

Alloc基の保護と脱保護の反応機構

Alloc基保護の反応機構

クロロギ酸のカルボニル基にアミンが求核攻撃し、塩化物イオンが脱離します。塩基として加えたトリエチルアミンがプロトンを奪い塩酸塩となり、保護アミン体が生成します。

Alloc基脱保護の反応機構

alloc脱保護反応機構

脱保護はパラジウム触媒とアリルスカベンジャーを用いて行います。0価のパラジウムはπアリル錯体を形成し、求核剤がこれを攻撃して脱保護が完了します。

Alloc化の反応条件

Alloc-Cl、DMAP、ピリジン条件下でのAlloc保護

alloc保護の反応条件例1

窒素雰囲気下、0℃の塩化メチレン(9mL)中のアミン(1 eq、1.21 mmol)の溶液に、クロロギ酸アリル(1.5 eq、1.82 mmol)、ピリジン(1 eq, 1.21 mol)、およびDMAP( 0.05 eq, cat.)を加え、徐々に室温に戻しながら一晩撹拌した。溶液を塩化メチレンで希釈し、水(3×20mL)およびブライン(3×20mL)で洗浄した。 有機層を乾燥、濾過し、濃縮し、粗物質をシリカゲルカラム、ヘキサン:酢酸エチル(10:1→8:1)で精製し、目的物(70%)で得た。Qin, Jie E., et al. j. Med. Chem. 2015, 58, 314.より引用

Alloc-ClとDIEPAを

Alloc保護例2

アミン(1.0 eq、2.58 mmol)のTHF(10mL)溶液にクロロギ酸アリル(1.05eq, 2.71 mmol)、DIEA(1.5 eq、3.88 mmol)を0℃で加えて1時間撹拌した。 反応混合物に水と酢酸エチルを加え、有機層を分離した。 有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。 得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒勾配; 10→50%酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、保護アミン体 (70%)を得た。Yamamoto, S., et al. JCT Int. Appl., 2015002230, 08 Jan 2015 より引用

Alloc基の脱保護反応条件の例

脱保護はPd(PPh3)4を用いて行うことが多いです。アリルスカベンジャーとしてはPhSiH3などが使われます(アリル化が再び起こるのを防ぐ)。

Alloc基脱保護反応例1(Pd((PPh3)4を用いた反応)

アミン(1.0 eq, 26 umol)をジクロロメタン(11 mL)に溶解し、1,3-ジメチルバルビツル酸(1.5 eq, 39 umol)とPd(PPh3)4 (0.15 eq, 4 umol)を窒素雰囲気下で加えて室温で14時間撹拌し、反応後NaHCO3水溶液を加えてクエンチし、濃縮し、シリカゲルカラム(2%TEA in DCM:MeOH=10:1, 5:1)で精製し、再度分液処理して目的物を(47%)で得た。Jie Qin, et al. J. Med. Chem., 2015, 58, 314.

脱保護反応例2(Pd2(dba)3とdppbを用いた例)

alloc脱保護2

窒素雰囲気下THF(3.1 mL)にPd2(dba)3(0.01 eq、0.009 mmol)および1,4-ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン(dppb)(0.01 eq、0.009 mmol)を加えて室温で5分間撹拌した。 保護アミン体(1.0 eq、0.92 mmol)およびN、N−ジメチルバルビツール酸(NMDBA)(10 eq、9.24 mmol)をTHF(6.2 mL)に溶解した溶液を反応溶液に加えて、室温で1時間撹拌した。その後ジエチルエーテル(20mL)および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(30mL)をゆっくり加えた。 層を分離し、水層をジエチルエーテル(2×15mL)で抽出した。合わせた有機層を乾燥(硫酸マグネシウム)、濾過し、濃縮後、 フラッシュクロマトグラフィー(1%TEA酢酸エチル)により精製してアミン体(92%)で得た。

参考文献

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