酸塩化物をケトンに変換

酸塩化物は求電子性の高いカルボニル誘導体であり、多くの求電子剤と反応してカルボニル誘導体を生成します。

酸塩化物にグリニャール試薬やアルキルリチウム化合物などの炭素求核剤を作用させるとケトンを合成できます。

酸塩化物を使ったケトンの合成

酸塩化物は反応性が高く容易に炭素求核試薬と反応してケトンを生成します。しかし、生成したケトンも求電子性が高いため、さらに求核試薬が反応して第三級アルコールがしばしば生成します。

炭素求核試薬を使ったケトン合成の概要

炭素求核試薬を使ったケトン合成の概要

ケトンを選択的に得るためには温度や添加物、試薬を加えるスピードや順番などを調節する必要があります。

グリニャール試薬を使ったケトン合成

グリニャール試薬は代表的な有機金属化合物で、酸塩化物と反応してケトンの合成が可能です。

ケトンを合成するためには、グリニャール試薬を-78℃でゆっくりと滴下することでケトンを得ることが可能です。

第三級アルコール体の生成を抑制するために、酸塩化物を過剰に(2eq)用いることが多いです。溶媒はTHFを用います。HMPAも第三級アルコールの生成を抑制するのに使えます。

添加物としては、トリブチルホスフィンを酸塩化物と反応させてアシルホスホニウム塩を生成させてからグリニャール試薬を加えるとケトンが得られます。

また、Fe(acac)3を触媒量加えることでケトンの選択的な合成が可能になります。

他にもZnCl2を加えてグリニャール試薬および有機リチウム試薬を有機亜鉛試薬に変換してからケトン合成に利用する方法も有効です。塩化銅や塩化銀を加える方法もあります。

有機リチウム化合物もグリニャール試薬と同様に使えます。

ケトン合成に酸塩化物を原料として使うことはできますが、別法でケトン合成を行ったほうが第三級アルコールが生成しにくく、選択性が高いです。

ギルマン試薬を利用したケトン合成

酸塩化物に対してはグリニャール試薬および有機リチウム試薬でケトン合成が可能ですが、第三級アルコールの生成を抑えるのは難しいです。そこで、各種炭素求核剤とともに一価の銅塩を加えることによって生成する「ギルマン試薬」を用いた酸塩化物のアルキル化はケトンへの付加反応は起こりにくいため、ケトンを選択的に合成しやすく、有用です。

ギルマン試薬有機銅化合物 -ギルマン試薬 を使ったアルキル化 ケトン合成

酸無水物からケトンの合成法

酸無水物も酸塩化物と同様に原料となりえます。

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