10%硫酸は最も手軽に調製できるTLCの発色試薬です。様々な化合物を染色することが可能な万能な発色試薬で白い背景で有機物は黒いスポットとして表れます。
10%硫酸の調製
10%硫酸は水と硫酸で調製します。
- 濃硫酸 10 mL
- 水 90 mL
水90 mLを氷浴で冷却しながら、濃硫酸10 mLをピペットで滴下しながらゆっくりと加えて撹拌して調製します。
10%硫酸 – 発色試薬の使い方
10%硫酸水溶液をTLCに噴霧あるいはディップしてからホットプレートやヒートガンで加熱すると、有機物のあるスポットが黒く染まります。
硫酸は強酸かつ揮発性ではないので、水分が蒸発するに連れてどんどん濃縮されるので注意が必要です。
鼻が痛くなったりするので噴霧はドラフト内で行いましょう。どちらかというとディップのほうがおすすめです。加熱した蒸気も吸うとむせるので、ドラフト内でやったほうがよいでしょう。
10%硫酸で発色する原理
10%硫酸水溶液はTLCに付着後にホットプレートで加熱することで、水分が蒸発して硫酸が濃縮されて濃硫酸になっていきます。この濃硫酸は脱水作用が強いため、有機物の水分を奪って、炭化させてしまうために、黒いスポットとして観察できると言われています。
有機物ならたいてい見られますが、他の万能試薬と比べて感度が低いかもしれません。
どんな時におすすめ?
こめやん
万能染色薬の中では使用頻度は低いかもしれませんが、調製は簡単で一回作ればずっと使えるので作ってみてもよいかもしれません
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