NMRを測定した後、溶媒ピークに基準を合わせる方も多いと思いますが、普段使わない重溶媒を久々に使用すると重溶媒の基準ピークは何ppmだったかな?ということがよく起きます。そのために重溶媒で出てくる溶媒ピークの一覧を作成しました。
重溶媒の溶媒ピークの化学シフト値:HNMR
H-NMRを測定した時に出てくる溶媒ピーク&(水)の化学シフト値をまとめました。以下重溶媒です。
溶媒 | 溶媒ピーク | 水のピーク |
クロロホルム | 7.26ppm | 1.56ppm |
DMSO | 2.50 ppm | 3.33ppm |
アセトン | 2.05 ppm | 2.84ppm |
メタノール | 3.31 ppm | 4.87ppm |
水 | 4.79 ppm | |
ベンゼン | 7.16 ppm | 0.40ppm |
アセトニトリル | 1.94 ppm | 2.13ppm |
です。溶媒ピークはNMRを測定していくうちに知らぬ間に覚えていきます。測定したい化合物のピークとNMR溶媒のピークが重ならないような溶媒を選択するとよいです。
重溶媒ピークの化学シフト値: 13C
炭素のNMRの溶媒ピークはプロトンよりも忘れがちです。
溶媒 | 溶媒ピーク |
クロロホルム | 77.16 ppm |
DMSO | 39.52 ppm |
アセトン | 29.84 ppm(CH3), 206.26 ppm (C=O) |
メタノール | 49.00 ppm |
ベンゼン | 128.06 ppm |
アセトニトリル | 1.32 ppm (CH3), 118.26 ppm (CN) |
クロロホルムの溶媒ピークは覚えておきたいところです。
プロトンはかなり低磁場にでますが、カーボンは77ppmと結構高磁場ですね。
ベンゼンは120ppm付近と低磁場にあります。このあたりは芳香族炭素のピークが出てくる領域です。
ニトリルは120ppm付近に少し小さめのピークで出てきます。ケトンはかなり低磁場にでてきます。エステルなどは20,30ppm高磁場側にでてきます。
溶媒ピークを基準ピークとして化学シフト値を合わせることができますが、NMRの基準物質を加えてピークを合わせることもできます。
NMRの基準物質については以下の記事を参考にしてください。
参考文献リスト
NMRの溶媒ピークや不純物のピークについては以下の論文を参考に作成しています。役立つ論文なので見てみてください。
Fulmer, Gregory R., et al. “NMR chemical shifts of trace impurities: common laboratory solvents, organics, and gases in deuterated solvents relevant to the organometallic chemist.” Organometallics 29.9 (2010): 2176-2179.