ヨウシュヤマゴボウは身近に存在する野草で目にしたことがある人は多いと思います。鮮やかな紫色の見た目はまるでぶどうに見えるので食べられそうですが、実は毒があるので食べられません。子供の時に食べてしまった人もいるのではないでしょうか?ここでは、ヨウシュヤマゴボウの毒成分や生態について紹介していきます。
ヨウシュヤマゴボウは有毒で食べられない
ヨウシュヤマゴボウは北アメリカ原産の「洋種」のヤマゴボウです。見た目のぶどう感から「洋酒」かと思いましたが、違うみたいですね。下の画像がヨウシュヤマゴボウの果実です。
ヨウシュヤマゴボウはぶどうにも似た紫色の果実を実らせます。ヤマゴボウの仲間はみんな同じようなぶどうに似た果実を実らせますが、どのヤマゴボウの果実も有毒なため食べられません!
毒成分は種と根っこに集中しています。ちなみに、山菜のヤマゴボウはキク科のモリアザミやオニアザミのもので、ヨウシュヤマゴボウの根っこではありません。勘違いしてヨウシュヤマゴボウの根っこを食べないように気をつけましょう。
海外ではインクベリーという名前でも呼ばれています。紫色の色素は鮮やかでかつてはワインの色素にも利用されていました。
こめやん
ヨウシュヤマゴボウの色素が服につくと落ちないので注意しましょう。
ヨウシュヤマゴボウの花言葉が「復讐」みたいなのですが、これは、美味しそうな果実なのに、毒性があるという所から来たのか、ついたらなかなか落ちない色素のシミから来たのかどちらなんでしょうかね?
食べるとどんな中毒症状が現れるの?
ヨウシュヤマゴボウを食べると下痢や嘔吐などの消化器症状が、大量に食べると痙攣、昏睡などの意識障害を生じて最悪の場合は死ぬ場合もあります。
ヨウシュヤマゴボウの実は見た目こそなかなか美味しそうですけど、味はどうなんでしょうか?毒があるだけで美味しかったりするんでしょうか?
こめやん
調べてみるとざざむしさんのブログで、ヨウシュヤマゴボウを全草たべるという企画をやっていました。
[blogcard url=”http://zazamushi.net/yousyuyamagobou/”]
味としては葉っぱは割とうまいらしいです。果実は美味しくないといっていました。詳しくはブログを御覧ください。上にリンクを張っております。他にも毒のあるものをたくさん食べています。恐るべし!
一応若葉はお湯で数回茹でこぼすことで食べられるそうですが、やめたほうが良さそうですね。根っこを食べて茨城では食中毒が出ています。
これだけ見てると「収穫」って絵面だけど現実は駆逐なのであります(ヨウシュヤマゴボウ)(毒草)#馬骨園芸部 pic.twitter.com/xIf6J50UTQ
— こたゐ (@cotal_kota) 2019年7月13日
ヨウシュヤマゴボウの有毒成分
有毒成分としては、トリテルペンサポニンのフィトラカトキシンが含まれています。
色素成分は?
ヨウシュヤマゴボウの赤色色素はベタレインという色素です。ベタレインはインドール誘導体で配糖体(糖が結合している)です。ビートの赤色色素成分はベタレインの一種でベタニンという物質です。
ベタレインのRの部分には水素及び糖類が入ります。ベタレインはチロシン→DOPA→環化(インドール化)を経てベタレインが生合成されます。植物の色素成分で有名なアントシアニン類とベタレインは別物です。
服についた色素を落とす方法を考察
色素が落ちないのは水溶性の色素ではなく、親油性の色素であることが多いです。ベタレインはカルボン酸、フェノールがたくさんついているので、塩基性にすれば水溶性が増加して落とせそうな気がします。ポリエン部分も酸素系漂白剤などで壊せば、色はなくなりそうです。