もしもずっと睡眠を取らないと死ぬのか?一度はそう考えたことがあるのではにでしょうか?人は一日の1/3~1/4は睡眠に費やしています。
こめやん
睡眠は必要なのか?
睡眠は食事と運動に並んで健康維持に重要なものとして認識されています。睡眠欲は本能的なもので、正常であれば誰しもが一日以上起きていれば眠気に襲われます。
睡眠しないでどのくらいまでいられるか?については、世界最長で約264時間(11日間)連続で起きていた人がいます。人間で無理やり起き続けさせると死亡するのか?については実験ができないのでわかりませんが、身体には良くないことは間違いなさそうですよね?
こめやん
基本的に自力で起き続ける限りはそれが原因で死亡することは無いでしょう。ただし起き続けていると3~4日程度で幻覚や幻聴、妄想などが起こることが知られています。また、疲労が溜まっていて寝ずに労働しているというような状況であれば、脳・心疾患で死亡するいわゆる過労死を起こす恐れがあります。そのような状況は心臓に強い負担がかかり、心臓疾患で死亡することが多いようです(日本人突然死の原因の8割が心疾患)。つまり連続的な睡眠不足は突然死の危険因子になります。
動物実験では起き続けると死亡した
ラットを利用した睡眠の実験が研究されています。ラットに十分な食事を与えながらずっと起き続けさせていると32日後に全てのラットは死亡したという実験報告があります。死因については同定されていませんが、予想として睡眠不足が免疫力を著しく低下させ、大腸内細菌に感染して死亡した、あるいは、中枢神経系の損傷などが考えられています。
睡眠を取らないと起こる身体の変化
睡眠をとらないと人体はどのような変化が起こるのでしょうか?
睡眠不足は身体に様々な変化を引き起こします。一日間以上寝ないでいると
- コルチゾールレベルの上昇
- 甲状腺刺激ホルモン(TSH)レベルの上昇
- 副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)レベルの上昇
- 血圧の上昇
- 糖代謝異常
- 体温低下
- 免疫力低下
コルチゾールは神経毒性を持つと言われており、海馬の縮小など神経変性疾患にも関わると考えられています。睡眠不足状態では、食欲などは維持または増加しても体重は減少していくようです。
こめやん
どうも連日の不摂生・不規則な生活・睡眠不足などなどにより風邪の初期症状が出ている模様……よいこはちゃんと健康的な生活を送ってね!
— そら🎈夏インテ (@alias_atr) 2019年7月10日
仕事や学校など生活が不規則になるとどうしても睡眠不足になりがちになります。そうなると風邪気味になったりしやすいですよね!風邪ひかなくても明らかに体調は悪くなります。
参考文献
1) 桐生康生, et al. “突然死の危険因子に関する症例対照研究.” 産業医学 36.1 (1994): 16-23.
2)EVERSON, Carol A.; BERGMANN, Bernard M.; RECHTSCHAFFEN, Allan. Sleep deprivation in the rat: III. Total sleep deprivation. Sleep, 1989, 12.1: 13-21.