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ウルマンカップリング: Ullmann Coupling

ウルマンカップリングについて

銅触媒存在下、2分子のハロゲン化アリールから対称または非対称なビアリールが生成する反応をUllmannカップリングと呼びます(Ullmannビアリール合成またはUllmann反応とも呼ばれます)。

ウルマン反応の特徴

ハロベンゼン誘導体のみならず、ハロゲン化芳香族ヘテロ環もこの反応に適用できるます。反応性の順序はI> Br> Clで、フッ化アリールは反応しません。分子内反応も分子間反応も進行し、さまざまなサイズの環(四員環から24員環まで)の構築にも利用できます。ハロゲン原子のオルト位の電子求引性置換基(たとえば、NO2、COMe、CHOなど)の存在は反応性を向上させます。一般に、オルト位に孤立電子対をもつ置換基がある場合、それが電子求引性か電子供与性かにかかわらず反応性が向上します。しかしメタ位、パラ位にある場合、そのような効果は見られません。非常に電子の豊富な基質(たとえば、アルキル多置換やアルコキシ基をもつ芳香族)ではビアリールの収率が低くなる傾向にあります。無保護のOH、NH2、CO2H、SO2NH2などの官能基がある場合、別の反応を引き起こしカップリング反応を阻害します。ハロゲン原子のオルト位に嵩高い置換基がある場合は、立体障害のため反応が遅くなったり阻害されます。非対称ビアリールの合成の際には、基質の一方の反応性が電子豊富で高く、もう一方の基質の反応性が低いときに、よい収率でビアリールが生成します。よい結果を得るためには、使用直前に活性化された銅を用いなければいけません。高活性な銅触媒は、Culをリチウムナフタレニドで還元するか、CuSO4を亜鉛末で還元することにより調製できます。一般には、反応に100℃以上の加熱が必要ですが、高活性な銅を用いることにより反応温度を下げることができます。一般的には溶媒としてDMFが用いられますが、高温下の反応ではニトロベンゼンやp-ニトロトルエンも用いられます。超音波の照射も効果的であることが知られています。Cu(I)塩(Cu20、Cu2Sなど)もカップリング反応の活性がありますが、活性化金属銅よりも反応性は低くなります。Cu(I)チオフェン2-カルボキシラート(CuTC)はカップリング反応に非常に効果的で、NMP中、温和な条件(通常は室温程度)で反応が進行します。このカップリング反応に対して、いくつかの改良が加えられています。たとえば、金属銅の代わりにNi(0)触媒を用いることにより、Ullmannカップリングは非常に温和な条件下で進行することが明らかとなっています。高度に置換されたビアリールを合成する際には、あらかじめ調製したアリール銅反応剤を用いるとよい結果を与えます。(Ziegler改良法)

反応の歴史

1901年にE Ullmannは、1当量の銅と2当量のハロゲン化アリールを高温下で反応させると、対称なビアリールとハロゲン化銅が生成することを見いだしました。

反応機構

Ullmannカップリングの正確な反応機構はよくわかっていません。一般的には二つの反応経路が考えられます。一つ目はアリールラジカルを生成する機構、二つ目はアリール銅中間体〔ArCu(I)、ArCu(II)、あるいはArCu(III)]を生成する機構です。二つ目のアリール銅中間体を経由する機構に関しては、多くのアリール銅錯体がこれまでに単離されており、それらがハロゲン化アリールと反応しビアリールを生成することが明らかとなっているため、現在ではアリール銅中間体を経由する機構で進行すると考えられています。

実験手順

 

 

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