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2,4,6-トリメチルベンゾイル基によるアルコールの保護基

メシトエート基とは?

2,4,6-トリメチルベンゾイル基によるアルコール(水酸基)の保護

2,4,6-トリメチルベンゾイル基(メシトエート基)はエステル系のアルコールの保護基です。多くのエステルが不安定な塩基性加水分解条件に対して強いのが特徴です。脱保護はLAHによるヒドリド還元で簡単に脱保護できます。2,4,6-トリメチルベンゾイルクロリド基

2,4,6-トリメチルベンゾイル基(メシエート)保護の特徴・利点

2,4,6-トリメチルベンゾイル基保護の特徴は

  1. 強塩基下で安定

という点です。アセチル基などのエステル系基は塩基性条件には弱くすぐに脱保護されますが、2,4,6-トリメチルベンゾイル基は塩基に対して安定です。

一方で脱保護ではLAHを使って脱保護することが多く、ケトンやアルデヒド、エステルなどが含まれると反応してしまうので注意しましょう。

2,4,6-トリメチルベンゾイル基保護の反応機構

反応機構ー保護

2,4,6-トリメチルベンゾイルクロリド基の保護反応機構酸塩化物に対してアルコールが反応し、保護体が得られます。

反応機構ー脱保護

2,4,6-トリメチルベンゾイルクロリド基の脱保護反応機構LiAlH4による還元で脱保護されます。LAHによるエステルの還元はアルデヒドを経てアルコールに2段階で変換されます。

2,4,6-トリメチルベンゾイル基(メシエート)の保護反応条件

2,4,6-トリメチルベンゾイル基の保護は2,4,6-トリメチルベンゾイルクロリドをピリジン存在下で反応させて得ます。反応は速く1hほどで完了します。

2,4,6-トリメチルベンゾイルクロリドとEt3Nによる保護反応条件

2,4,6-トリメチルベンゾイル保護反応例1窒素雰囲気下、アルコール(1eq, 2 mmol)、トリエチルアミン(1.5 eq, 3 mmol)、ジクロロメタン(5 mL)を加えて溶解し、0℃に冷却し2,4,6-トリメチルベンゾイルクロリド(1.5 eq, 3 mmol)を滴下し、室温で24時間撹拌した。反応後、炭酸水素ナトリウム水溶液でクエンチし、ジクロロメタン(3×20mL)で抽出し、有機層を水(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過後、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して保護体を得た(76%)。Serizawa, Hiroaki et al. WO Pat. 2013130654. より引用。

保護反応は4-DMAPを触媒として加えるこで反応を加速できます。

2,4,6-トリメチルベンゾイル基の脱保護反応例

脱保護は、LAHを用いた還元条件で行います。

LAHを用いた脱保護

2,4,6-トリメチルベンゾイルクロリド基の脱保護反応例THF(173 mL)に保護体(24.8 g, 69.2 mmol)を溶かした溶液に、Ar雰囲気下0度でLAH(2.62 g, 69.2 mmol)を加え、混合物を室温で2時間撹拌した。 Na2SO4・10H2O*1を加えて反応を停止させ、室温で20分間撹拌した。反応液をAcOEtで抽出し、乾燥、濾過、濃縮して得られた粗アルコール生成物をそのまま次のトシル化反応に使用した。ジクロロメタン(173mL)、トリエチルアミン(38.4mL,277mmol)に生成物を溶解し、Ar雰囲気下0℃で、TsCl(33.0g,173mmol)およびDMAP(845mg,6.92mmol)を加えた。そして混合物を室温で1.5時間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて反応を停止させAcOEtで抽出し、有機層を水、ブラインで洗浄し、乾燥、ろ過、濃縮し、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで生成し目的物を得た(84%)。Kinbara, Atsushi et al. Synlett 2013, 24, 2002.より引用。

*1)硫酸ナトリウムの水和物はたくさんの水分子を持っていることから、LAHなどの水と激しく反応する物質のクエンチャーとして利用できます。] アミンの保護基のまとめ アミンの保護基まとめ アルコール保護 アルコールの保護基のまとめ

参考まとめ

Wuts, Peter G. M.. Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis fifth edition (p.325). Wiley.

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