TLCの二次元展開(二次元TLC)とは?何の意味があるの?
TLCの二次元展開は一度あげたTLCを90°回転させて再度展開させる方法のことです。そんなことしてどんな意味があるかというと
- 化合物が分解しているかどうか調べられる
- 複数のスポットが重なって見にくいとき
- 展開溶媒による上がり方の違いを調べる
などを調べることができます。
上の図は普通のサンプルを同じ展開溶媒で二次元展開させたTLCです。同じ展開溶媒なので90°回転させた後展開させたときのRf値は同じになります。ちょうど対角線に並ぶように展開されます。
二次元TLCのあげ方
- 左右どちらかの端から1~2cmほどあけてスポットする
- いつもどおりに展開する
- きちんと乾燥させる
- 90°回転させて、スポット側を下にして再度展開させる
- 二次元TLCの完成、結果を観察する
どんな時に二次元TLCを上げる?
TLCをあげた時にテーリングしているとか、カラムをして1スポットで分離できたもののTLCをとったら複数スポットが見えたときなどは化合物が分解して複数の化合物が生成している可能性があります。こんな時に二次元TLCをあげます。
二次元展開をした時は一つだけのスポットのはずだが、分解しているスポットがあれば複数のスポットが現れます。上の図の例では、オレンジのスポットが分解してピンクのスポットが現れていたことがわかります。カルボン酸やアミンなどの高極性基がないのにテーリングしている時も分解していることがあります。
二度目の展開時に最初に使った展開溶媒と異なる溶媒で展開した場合は、Rf値が変化することから対角線に並ばなくなる。展開溶媒によってはスポットの上下が逆転することがあるので(上の図の例では二回目の展開溶媒ではピンクのスポットのほうが上に来ている)、焼いたときのスポットの色が逆転していたなど、なにかおかしいときは二次元TLCをあげてみましょう。
複数のスポットがあって重なって見にくいようなときも二次元TLCをやると見やすくなる可能性があります。
二次元TLCは特別大きなサイズでなくてもOKですが、縦長ではなく正方形に近い形のほうがキレイに展開できると思います。
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