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りんご病が流行!成人や妊婦は危険

りんご病とは

冬にはインフルエンザなど様々な病気が流行しますが、最近りんご病が流行しているというニュースが発表されています。りんご病は数年単位で小規模な流行が確認されています。このりんご病は子供に感染しやすいですが、大人も感染します。特に危険な症状がでることはマレですが、妊婦は胎児への影響があるために危険です。

りんご病とは?伝染性紅斑

りんご病はその名前にある通り、両頬に赤い紅斑が生じる典型的な症状が現れます。正式な名称は伝染性紅斑です。この伝染性紅斑はヒトパルボウイルスB19というウイルスによって引き起こされる感染症で、比較的感染力が強いです。しかも自覚症状が少ないために、いつの間にか周りに感染を拡大させてしまいます。

りんご病の症状
B19 virus © Kardelen Yangın (Licensed under CC BY 4.0)

両頬に赤い紅斑が出ている時期はすでにウイルスの排泄はなくなっています。つまり、典型的な症状りんご病の症状がでて気づいたときにはもう周囲へのウイルスの撒き散らしが完了しています。これもりんご病の感染が拡大しやすい理由の一つです。紅斑がでていても周りに感染を差せる恐れはないので登校しても問題ありません。

りんご病の症状

りんご病の症状は感染後6-10日後に発熱、倦怠感、頭痛などの風邪様症状、そして14-18日後に発疹、関節炎、関節痛が出現します。またこのように症状が見た目に現れるのは、子供では70%、大人では30-50%と全員が症状が出るわけではなく、症状が出ない人もいます。しかも大人では、子供にりんご病に特有の両頬の紅斑がでないことが多いです。

成人の症状
成人は紅斑がでることが少なく、全身症状が強いです。発熱や倦怠感、関節痛、関節炎、手、足の腫脹が生じることがあります。また、手足に丘疹や点状出血がみられることもあります。

妊婦の感染は胎児の水腫を引き起こす

妊婦の感染は非常に危険です。妊婦が感染すると胎児へウイルスが移行し、胎児感染すると胎児の赤血球系の細胞が破壊されることにより、溶血性貧血、心不全、胎児水腫などにより、死産となることもあります。胎児感染は妊婦感染の30%に認められます。また重篤な胎児への影響は10%程度みられます。胎児水腫は神経学的な後遺症を認めることがあります。

ブログで妊娠中にりんご病に感染して胎児が水腫になってしまったお母さんのブログがあります。胎児に異常が認められたときはすぐにでも診断できる医療機関で診察しましょう。無事にお子さんは誕生されたようで安心です。

りんご病ですが、残念ながらワクチンや抗ウイルス剤はありません。そのため感染を防ぐ必要があります。

感染を防ぐ3か条

  1. 流行の時期を把握すること
  2. 手指を清潔(手洗い・消毒)に保ち、顔に触れないようにする
  3. マスクの着用(空気感染だけでなく接触感染も防げる)

ウイルス感染は飛沫や接触感染が主です。また、典型的な症状が確認できるときにはすでに手遅れになっているので、伝染性紅斑の流行に対して敏感に情報収集する必要があります。ニュースはもちろん通学学校や地域学校での流行情報にアンテナをはっておきましょう。

感染を防ぐ最も有効な方法は、他の感染症と同様に手指を清潔に保つ(手洗い)、そしてくしゃみや咳などの飛沫から守るためのマスク着用、また接触感染の原因となる目、口、鼻に対して他人、自分の手を触れないようにする。人への密着を防ぐ(小児!)。感染者との接触は感染の大きなリスクとなるので注意が必要です。

手洗いはやっぱり有効

病院内感染において、手を良く洗うと答えた院内関係者の感染率は時折洗うと答えた人よりも低かったことからも手洗いは有効であると言われています

一度感染したことがある人は40-60%の割合で抗B19-IgG抗体が陽性となり感染しにくくなります。抗体はウイルスの認識部位によって生涯免疫を得ることもあります(VP1固有領域に対するIgG抗体が産生された場合)

ヒトパルボウイルスB19は一本鎖DNAウイルスで、カプシド(キャプシド)言われる殻に覆われた形をしています。このカプシドを作っているタンパク質にVP1、VP2というものがあります。このVP1はウイルス間で変化しづらくこれを見分ける抗体を作った場合は生涯免疫を獲得します

ワクチン開発は?

ワクチンはまだありません。遺伝子組換えヒトパルボウイルスB19のワクチンは免疫を持たない成人に対して使用した場合安全かつ効果があることが確認されましたが、国立アレルギー感染症研究所(NIAID)によるフェーズI/IIの試験で原因不明の皮膚異常が生じたために中止されてしまいました(2008年8月)

ですのでりんご病流行情報を敏感に取得して、予防に努めるしか方法はなさそうです。普段から様々な感染症への予防効果があるので手洗いはこまめに行い、目鼻口へ触れない、そして外出、時には室内でもマスクを着用することを心がけましょう。

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