出版バイアスとは?メタアナリシスで問題になる
出版バイアスは否定的な結果が出た研究が公表されにくいバイアスのことです。
否定的な結果が出た研究は肯定的な結果が出た研究と比べて論文として公表しにくい部分があります。
そうした場合、例えばある治療薬Aの有効性に関する研究において肯定的な結果は多いが否定的な結果は少ないといったことが起こりえます。
治療薬Aが有効だという研究結果が多くても実際は否定的な研究結果が公表されていないだけかもしれないということです(出版バイアス)。
メタアナリシスでは複数の研究結果が統合されるので出版バイアスの影響を受けます。
ファンネルプロット
出版バイアスの有無を調べる方法としてファンネルプロットがあります。
ファンネルプロットは横軸に効果量、縦軸にサンプルサイズや分散などとしてプロットしたものです。この散布図は通常ある数値を中心として左右に広がった漏斗(英語でファンネル)のような形になります。もしも出版バイアスがあると効果量のうちポジティブな部分しかないのでネガティブな研究結果が含まれておらず、散布図が非対称な形になります。非対称≒出版バイアス有り というわけではありませんがファンネルプロットは視覚的に出版バイアスを調べる方法のひとつです。
フォレストプロットは?
メタアナリシスではファンネルプロットと似たような名前の「フォレストプロット」が登場します。ファンネルプロットとフォレストプロットは別物です。
フォレストプロットは個々の研究のアウトカムの平均値を点として、エフェクトサイズを四角の大きさ、信頼区間をバーとしてプロットしたグラフのことです。基準点に対してバーがまたいでいない場合は有意差があり、またいでいる場合は有意差無しと視覚的に知ることができます。