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ポリフェノールとは?構造と効果

年をとってくるとだんだん体の不調が気になり始めますよね。病気の中でも、糖尿病や高血圧、高脂血症、脳血管障害、心筋梗塞など、生活習慣病が気になるのではないでしょうか?

生活習慣病を改善するには、その名の通り、生活を見直すわけですが、規則正しい生活、十分な睡眠、適度な運動などは仕事で忙しかったりすると気をつけるのは難しいのではないでしょうか?食事はその点手軽に始めやすいですよね。ポリフェノールは特に健康成分として注目されています。今回はそのポリフェノールについて現在までに明らかになっていることを紹介します。

ポリフェノールとは?

ポリフェノールとは

分子内に2個以上のフェノール性水酸基を持つ化合物

のことです。フェノール(phenol)がたくさん(poly)あるからpoly-phenolという名前がついています。

ポリフェノールは植物の二次代謝成分でその種類は5000種類以上に及びます。

ポリフェノールはフラボノイド、フェニルプロパノイド、タンニンなどにわけられますが、最も種類が多いのはフラボノイド類で、4000種類以上の化合物が発見されています。フラボノイドはその構造の違いによってフラバン、フラバノン、フラボン、フラボノール、アントシアニジン、カルコン、イソフラボン、フラバノノール、フラバノールに分けられます。

 

 

フラボノイドは果実の皮など植物の表面に多く含まれています。

各フラボノイド類の代表的な化合物

フラバン:フラバン類はほとんど天然には存在してない

フラバノン:エリオジクチオール、ナリンゲニン、ヘスペレチンブチン、イソサクラネチン、ピノセムブリン、ステルビン、「はちみつ、米、レモンやグレープフルーツといった柑橘類などに含まれる」

フラボン:アピゲニン、ルテオリン、バイカレイン「パセリなどのセリ類、タイム、唐辛子」

フラボノール:ケルセチン、ケンプフェロール、ミリセチン、イソラムネチン、アザレアチン、フィセチン、ガランギン、ゴッシペチン、モリン、ラムネチン等「いちご、プロポリス、からしな、生姜、ネギ、りんご、赤ワイン、みかん、玉ねぎ、クローブ、ブロッコリ、ベリー」

アントシアニジン:シアニジン、デルフィニジン、マルビジン、ペラルゴニジン、ペオニジン、ペツニジン「ベリー類、赤ワイン、りんご」

イソフラボン:ダイゼイン、ゲニステイン、グリシテイン「大豆などのマメ類」

フラバノノール:タキシフォリン、アロマデンドリン「ワイン、茶、ココア」

フラバノール:カテキン、エピカテキン、エピガロカテキン、エピガロカテキンガレート、テアフラビン、テアルビジン、プロアントシアニジン「茶、ぶどう、赤ワイン、ベリー類」

これらのフラボノイド類は糖類と結合して配糖体の形で存在していることが多い。一般的にフラボノイド類は吸収されにくく、特にアントシアニン類は吸収は非常に悪いです。イソフラボンはその中でも吸収されやすいほうです。


ポリフェノール(フラボノイド)の機能

ポリフェノールの中でも種類が多いフラボノイドに絞って機能を紹介します。

フラボノイドの代表的な機能は抗酸化作用です。他には抗がん作用抗アレルギー作用抗炎症作用などが報告されています。

フラボノイドの機能についてまとめた表を載せます。

表1は瀬木一真, 山田千佳子, and 和泉秀彦. “ポリフェノールの機能性.” Nagoya journal of nutritional sciences= 名古屋栄養科学雑誌 1 (2015): 1-7.より引用

生物活性について

フラボノイド類は基本的に吸収が悪いので、血液中の濃度も低いです。そのためフラボノイド類の抗酸化能はビタミンCなどの他の抗酸化物質と比べてあまり高くないのではないか?という意見もあります。そのためフラボノイドは直接的な抗酸化作用によって機能を発揮しているのではなく、間接的に効果を発揮していると見られています。

金属とのキレート

フラボノイド類は鉄や銅などの金属をキレート化することが知られています。これが有益な機能を果たすかどうかは不明です。

細胞シグナル伝達経路への効果

細胞シグナル伝達にフラボノイドが関与されていることが示唆されています。特にフラボノイドの機能はこの細胞シグナル伝達経路への関与によるものであるという見方が強いです。その理由は通常シグナル伝達に関わるのに必要な濃度はかなり低くてもよいからです。フラボノイドはある種のキナーゼの抑制、細胞増殖因子、成長因子への関与が示唆されています。

アポトーシスへの関与

フラボノイドはアポトーシスを誘導することが示唆されています。


効果のエビデンス

一般的にポリフェノールに見られる効果・効能は臨床的には効果が見られる結果はあるが、そのメカニズムが不明であることが多い。今後は詳細のメカニズムの解析が求められる。

心疾患について

紅茶やりんご、たまねぎ、ココアなどのフラボノイドを摂取し、冠状動脈疾患の発生との関連を調査する研究がなされています。7つの前向きコホート研究では有意な減少が見られたのは2つだけで、心疾患予防に役立つかもしれないが、フラボノイドによるものなのか他の成分によるものなのかなど詳細がまだわかっていません。

血管内皮機能の向上(一酸化窒素生成能)

ビターチョコレートやカカオの摂取は、血管内皮機能を向上させる可能性が示唆されています。

がん

動物モデル実験ではフラボノイドが様々ながんの発症を抑制している報告があります。人の前向きコホート研究では相関関係は不明。

神経変性疾患への効果

神経変性疾患の誘発に金属の脳への蓄積が関与していることが報告されています。フラボノイドは金属キレート能があるため、これらの神経変性疾患に効果がある可能性があり調査されました。コホート研究では、確定的な結果は得られませんでした。

摂取源として

濃いベリー類(ブルーベリーとか)、ビターチョコレート、ココア、スモモ、茶、パセリなどが豊富にフラボノイドを含んでいます。

注意事項:ビタミンCや鉄の吸収を阻害する作用があることがわかっています。食事と一緒に摂るのは避けたほうが良い可能性もあります。

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