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パールマン触媒(水酸化パラジウムPd(OH)2を使った接触還元

パールマン触媒の還元反応!

パールマン触媒(Pd(OH)2)はPd/Cと同様に接触還元に利用される不均一系触媒です。Pd/Cで還元が完了しない場合にもパールマン触媒を使うことで還元が完了することもあります。今回はパールマン触媒について紹介します。

パールマン触媒ーPd(OH)2の特徴!

パールマン触媒は水酸化パラジウムで、Pd/Cと同様に接触還元に用います。活性が高く、Pd/Cを用いた水素還元が進行しにくい基質に対しても進行する場合があります。Pd/Cで反応が進行しにくくて困ったときはパールマン触媒を使用すれば反応が進行するかもしれません。


パールマン触媒の反応特性

パールマン触媒はPd/Cが利用できるシーンで同様に利用できます。パールマン触媒がよく利用される反応としては

  1. 不飽和結合(アルキンやアルケン)の還元
  2. ベンジル基の脱保護
  3. ニトロ基の還元

などがあります。

パールマン触媒(水酸化パラジウム)を使った還元反応例

水酸化パラジウムによる還元はアダムス触媒と同様に酸や塩基の添加で反応が促進されます。酸としては塩酸やTFA、塩基としてはトリエチルアミンが添加されます。また水素源としてギ酸アンモニウムを加える例もあります。

溶媒はメタノール、エタノールの利用が多く、ついで酢酸エチル、THF、ジクロロメタン、酢酸などがあります。

反応例として最も利用されるのはベンジル基の脱保護です。アルコール、アミン、カルボン酸に対するBn基どちらも利用されます。また、アルキン/アルケンの還元、アジド、ニトロ基の還元にも利用されます。シクロヘキサンのオキシムやケトンを芳香族化してアニリンやフェノールを与える反応にも利用されます。

ベンジル基の脱保護

パールマン触媒反応例1

MeOH(30mL)に原料(4.52g,10.40mmol)、Pd(OH)2 / C(20%w / w,0.365g,0.52mmol)を加えて水素雰囲気下2時間撹拌した。反応後ろ過、濃縮し、カラム精製により目的物を得た(3.45g,96%) 。(Song, Ho Young et al J.Org.Chem., 68(21), 8080-8087, 2003)

N-ベンジル基の脱保護

Nーベンジル基についても同様に水酸化パラジウムで脱保護できますが、塩素は脱ハロゲン水素化を受けてしまっています。

原料(6.32g)、20%水酸化パラジウム – 炭素触媒(2.00g)をメタノール(100mL)に加えて水素雰囲気下、室温で16時間撹拌した。セライトろ過、ろ液を濃縮して目的物(3.30 g,89%)を得た。Matsumoto, Takahiro et al patent. WO2009063992

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