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PAMPA: 並行人工膜透過性試験

医薬品開発において、医薬品候補化合物の生体内への吸収性は重要の項目の一つですが、実際にその評価をする場合 in vivo試験で行うのは大きな手間がかかります。そこで、開発初期段階から吸収性を評価する手法が求められており、開発された手法の一つが並行人工膜透過性試験(PAMPA)です。

並行人工膜透過性試験 (PAMPA)とは?

並行人工膜透過性試験(PAMPA:Parallel Artificial Membrane Permeation Assay)は、1998 年に Kansy らにより一般化され、報告された手法4)で、メンブレンフィルターに塗布形成した人工膜を生体膜の代替として用いて、膜透過性を評価します。時間がかからず、再現性が良好であるため、膜透過性の一次スクリーニングとして良く用いられています。

PAMPAで用いられる人工膜としてはリン脂質4)あるいはヘキサデカン5)が主に用いられており、消化管吸収との高い相関性が報告されています。一方で、豚の脳から抽出した極性脂質混合物6)を用いた人工膜の場合は、血液脳関門との高い相関性が報告されています。

細胞を使った膜透過性試験との比較


表1: PAMPAと細胞系アッセイの比較 – 文献より引用2)

PAMPA以外の膜透過性試験として一般的に用いられているものとしては、Caco-2やMDCKなどの細胞系のアッセイ手法があります。

上記表1にPAMPAと細胞系アッセイの比較を載せてありますが、簡潔に言うとPAMPAの利点は圧倒的に簡便だという点です。特にPAMPAの緩衝液中には爽雑物をほとんど含まれないので、化合物濃度の定量はLC-MSやHPLC以外にもUVでの測定も可能である点が優れています。実際に96穴プレート+UVプレートリーダーで波長の範囲(240~440nm程度)をスキャンして濃度を算出するという単純な手法なので、データ解析まで自動化されたPAMPA用ロボットも市販されています。また、PAMPAの場合は膜以外の透過(例えばトランスポーターの輸送など)は関与しないので、シンプルに膜のみの透過性を評価できる点がメリットになります。

一方で、より生体に近い細胞への透過性を評価したい場合は、その他の透過機序も関与すると予想される細胞を用いたアッセイ系の方が優れています。

試験方法

試験方法に関しては、住化分析センターのホームページに載っていました。

評価対象の化合物は DMSO に溶解して下層のドナーバッファーへ添加します。上層のアクセプタープレートの底部にあるメンブレンフィルターには、リン脂質類を有機溶媒に溶かしたもの塗布して人工脂質膜を形成させ、アクセプターバッファーを添加します。その後、アクセプタープレートをドナープレートへ装着し(図 1)、室温(20-25℃)で 4 時間静置後、アクセプター側とドナー側のバッファーをそれぞれ分取し、スペクトルを計測します。計測結果から、膜透過速度を算出します。-出典 株式会社 住化分析センター1)

上記の試験方法では、アクセプタープレートが上層、ドナープレートが下層にありますが、これが逆の場合もあります。

参考文献

1) 株式会社 住化分析センター「in vitro/vivo 薬物動態スクリーニング」,<https://www.scas.co.jp/services/lifescience/pharmaceuticals/pharmacokinetics.html> 2019年5月22日アクセス [pdf (PAMPA)]

2) 薬剤学 Vol.64, No.1(2004)

3) 日薬理誌(Folia Pharmacol. Jpn.)133,270(2009)

4)  Journal of Medicinal Chemistry, 1998, Vol. 41, No. 7 1007

5)  Journal of Medicinal Chemistry, 2001, Vol. 44, No. 6 925

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